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野菜も肉も魚も一カ所で!? 未来の都市型農業をつくる、ロンドンの実験室「FARM:」

壁一面に吊るされたプランター

壁一面に吊るされたプランター

地元で生産された農作物などをその地域で消費する「地産地消」は、鮮度の高いうちに消費できるという物理的な利点のみならず、地域経済の活性化、伝統的食文化の継承、輸送エネルギーの削減など、経済的・文化的・環境的観点からもメリットがあります。

では、人口が密集し、スペースが限定されがちな都市部で、農・漁・畜産業を運営するためには、どうすればいいのでしょう?英ロンドンでは、この課題に対する具体的な“実験”が始まっています。

ロンドン北東部ダルストン(Dalston)にある「FARM:」は、都市型の”食”のハブを目指す実験室。小規模なビルを使って、野菜の栽培のほか、魚の養殖や家畜の飼育を行っています。

小さなグリーンのビルが、農の実験室「FARM:」

鉄格子のある小さなグリーンのビルこそ、農の実験室「FARM:」

屋根から壁一面に吊るされたプランターは、上から順に、すべての作物に水が行き渡る仕組み。落下した水はエビが飼育されている水槽で受けるようになっています。スペースを有効に活用し、野菜の栽培とエビの養殖を同時にできるというわけですね。

greenz/グリーンズfarmshop7

同じ部屋では、大きめの水槽も配置され、鯛を養殖。農業と養殖業が共存するという、ユニークな空間です。

水槽には、魚、さかな、サカナ

水槽に、魚、さかな、サカナ

屋上には、鶏を飼育。ミーティングルームの窓から外を眺めると、鶏と出会えます。

屋上で暮らす、鶏たち。

屋上で暮らす、鶏たち。

また、「FARM:」には、カフェスペース「FARM:Shop」が併設され、この実験室で収穫された野菜を使った料理を提供。食にまつわるワークショップやイベントも定期的に開催され、地元コミュニティとの交流の場としても活用されています。

本日のサンドウィッチ。ハーブとバジルの香りに包まれ、思わず笑顔になっちゃいます。

本日のサンドウィッチ。ハーブとバジルの香りに包まれ、思わず笑顔になるおいしさです。

「FARM:」は、新しい都市型農業へのチャレンジ。都会で生活する人々に向けて、”自給自足”をベースとするライフスタイルを提示するとともに、地方の農家と都市部のコミュニティとのネットワークも広げていこうとしています。

日本でも、野菜づくりができるシェアハウス「元麻布農園レジデンス」などの事例はありますが、農業のみならず、魚介類の養殖や家畜の飼育まで一カ所で実現しようというこのチャレンジは、都市部における自給自足のカタチを、さらに一歩進化させてくれそうです。

東京のど真ん中で野菜づくりができるシェアハウス「元麻布農園レジデンス」の記事を読もう。

こちらはベルリン発のアイデア。屋上を活用した「アクアポニック・ファーム」の記事も読んでみよう。