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シブカサ、ハイタッチ隊…あのマイプロジェクトの全容が明らかに!|green drinks Tokyo「これからのムーブメント」レポート

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greenz.jpが毎月第2木曜日に開催しているネットワーキングパーティ「green drinks Tokyo」。『これからの○○』シリーズ第2回目となる今回は、「これからのムーブメント!」をテーマに開催しました。

会社でもNPOでもなく、”自分ゴト”としてちょうどいいサイズから始まったのに、いつのまにか共感とともに広がってムーブメントになっている。そんな「マイプロジェクト」の先輩的存在のおふたりをゲストにお迎えし、成功の秘訣から苦労話まで、根掘り葉掘り聞いちゃいました。メディアでも多く取り上げられ知名度をぐんぐん伸ばしている、あのマイプロジェクトのホントのところを、大いに語っていただきました!

「マイプロジェクト」って何だろう?

「マイプロジェクト」という言葉、何となくイメージできても少し分かり難いかもしれないので、まずは簡単にご説明しましょう。

昨年greenz.jpで紹介した記事の中で特に人気が高かったものとして、「Happy Outdoor Wedding」や「giftee」などがありました。その始まりは個人の想いや自分サイズの問題意識。でも、それをを変えていこうと動き出した時、共感の輪が広がり、いろいろな人が支援者として現れて、次々にカタチになっていく。こんな現象が次々に発生していたのです。

これがgreenz.jpが考えるマイプロジェクトであり、greenz.jpは今年、そんなマイプロジェクトの発射台のようなメディアになりたいと思っているのです。

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今回のゲストはそんなマイプロジェクトの先輩たち。「ハイタッチ隊」リーダーの平井圭一さん、そして、「シブカサ」代表理事の末原弘喜さんのおふたりです。それぞれの活動の概要について軽くご説明いただいた後、マイプロジェクトを始めるきっかけについてお話を聞きました。

はじまりはシンプルな想い

まずはハイタッチ隊の平井さん。約1年半前、丸の内朝大学の同期生7名で「街のコミュニケーションを豊かにする」という課題を解決する手段を考え、悩んだ末に思いついたのがハイタッチというワンアクション。このアイデアに関してはメンバー全員がすぐに賛同したそうです。

まずは実行、と結成直後にさっそく街頭に立ったハイタッチ隊。挨拶だけでは誰も応えてくれなかったのに、ハイタッチが加わっただけで、一気にコミュニケーションの壁を取り払うことができたとのこと。そんな実体験から一気にプロジェクト化し、今や大手メディアをも騒がせる存在にまで成長しました。平井さん曰く、ポイントは「シンプルでわかりやすく、ひとことで伝えられること」。確かに「ハイタッチ隊」と聞いただけで、その活動イメージは伝わってきますよね。“わかりやすさ”は、ヒットするマイプロジェクトの大きなポイントと言えるかもしれません。

シブカサ代表理事の末原さん(左)と、ハイタッチ隊リーダーの平井さん(右)

シブカサ代表理事の末原さん(左)と、ハイタッチ隊リーダーの平井さん(右)

一方、シブカサが立ち上がったのは4年前。環境問題が日本でも大きな話題となり始めた頃です。末原さんは、バイト先の飲食店で、置き去りにされたビニール傘が捨てられていくのを目にしていました。一方、街で目に入ってきたのは、ゲリラ豪雨に見舞われてびしょ濡れで走っていく人々の姿。「もっと必要な場所に必要な本数だけ傘があれば、もっとみんなが使って循環するのではないか」という想いが、貸し傘システムという構想を生みました。

2007年12月、シブカサを立ち上げたところ、周囲の共感が集まりメディアの反応も良く、プロジェクトは一気に加速していきました。末原さんによると、日本で捨てられる傘の本数は年間約1億2,000万本にも及びます。みんながどこかで持っていた「もったいない」という気持ち。それ呼び起こすアクションであったことが、シブカサへの大きな共感につながったのでしょう。

2つのプロジェクトに共通しているのは、始まりがとてもシンプルな想いであったこと。共感を生む秘訣と言えるでしょう。

悩み、そして続けるモチベーション

順風満帆に見える両プロジェクトですが、やはりそれぞれに悩みも抱えているようです。

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「ハイタッチという文化はあまり日本に馴染みがなく、やってくれる人も少ないのでは?」というYOSHの質問に対し、平井さんは苦笑い。現在は月1回の活動に、毎回20名ほどの参加者が集まってくれるとのことですが、実施している丸の内の街はハイタッチの成功率がとても低いのだとか。一方で、イベントとして出かけた高尾山では、参加者以外の方にも自然にハイタッチする空気が生まれ、約8割もの方が応えてくれたとのこと。やはり、街やシチュエーションに依るところが大きいようです。

そんな中でも、「やっている自分たちが元気になるのがハイタッチ活動のよいところ」と平井さん。最近ではアンケートなども実施して参加してくれた方々の声を集め、それが活動のモチベーションにもつながっているとのことです。

一方のシブカサは、お客さんから「便利」という声が寄せられ、このため提携店も導入へのモチベーションが高いのだとか。返却率は、やはり店舗によってそれぞれで、駅に近い立地にあるお店などでは返却率は低くなる一方、7〜8割戻ってくる店舗もあり、最近では全体的に上がってきているとのことです。

ただ、店舗側からの依頼で導入する方法を取っているため、地域が偏ってしまっているという予期せぬ現状もあるのだとか。「シブカサ」という名前でありながら、現在は表参道・原宿地域が中心。そんな、やってみて初めてわかる想定外のできごとも、マイプロジェクトには付き物なのかもしれません。

ロゴ、ホームページ、動画……協力者の支えがチカラに!

さて、マイプロジェクトを立ち上げ、いざ形にしていく際に必要となってくるのは、ホームページやロゴなどのプロモーション素材。現実問題として、技術やお金もなく悩む人も多いと思いますが、ハイタッチ隊とシブカサの場合はどうだったのでしょうか?

シブカサのロゴ(左)と、ハイタッチ隊のロゴ(右)

シブカサのロゴ(左)と、ハイタッチ隊のロゴ(右)

まず、シブカサのロゴは、なんと学生のデザインチームに声をかけて作ってもらったところ、ロゴ自体がかわいいと人気に。傘だけでもほしいという声も届くほどなのだとか。

一方、ハイタッチ隊のロゴは得意なメンバーの手作りですが、プロモーション動画やホームページは、全てその道のプロがプロボノで制作してくれたもの。こちらの動画に関しては、なんと昨年のgreen drinks Tokyoで出会った映像クリエイターの方と意気投合し、実現したとのことです!

シブカサもそれは同じ。自らCMを作ってくれる方が名乗り出てくれたり、現在はアンドロイド、iPhone対応のアプリも開発中(こちらももちろん技術者の方のプロボノ!)とのことです。

また、メディアのチカラも見逃せません。両プロジェクトともテレビ、新聞などの大手メディアに多数取り上げられたことにより、認知度と信頼感がアップし、また新たな協力者が現れる、という良い循環が生まれているようです。「すべてみなさんの想いで成り立っている」と言う末原さんの言葉から、ムーブメントとなったマイプロジェクトの実情が見えてきます。

専業?仕事をしながら?

マイプロジェクトを立ち上げる頃は、おそらく他の仕事をされている方も多いでしょう。ここからは、おふたりの実生活について聞きました。

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ハイタッチ隊の平井さんは、普段は保険会社の営業をされていて、他のメンバーもほとんどが会社員という構成。それぞれ本業を持ちながらの活動のため、「できる範囲でできることをやる」というスタンスで望んでいるとのこと。法人としての形を取っていないハイタッチ隊の現状に関しては、「メンバーそれぞれ意見も異なるのが現状。個々の都合で活動を休んでも、いつでも戻って来れるような状態にしておきたい。それが7人いることのメリットだと思います」とのこと。敢えて組織をフラットな状態に保っていることが、結果としてプロジェクトを持続可能にしているようです。

ハイタッチ隊を始めた後の、ご自身の生活の変化について聞いたところ、「凹まなくなった」とのこと。これには会場も爆笑でしたが、やはり活動自体から元気をもらえている、という感覚が大きいようです。

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一方でシブカサは、昨年の11月に一般社団法人となり、それを機に末原さんは専業の有給職員となりました。一度は「海外に逃げた」という末原さんですが、もう一度日本人の「もったいない」という心を伝えていきたいと、シブカサに専念することに決めたそうです。

「シブカサにどのくらい人生を捧げる覚悟?」というYOSHの質問に対しては、「今は全力でやっている。まずは5年かな、と思っています」とのこと。現在は朝から晩まで仕事も遊びも関係なくシブカサのことを考えていて、充実した毎日を送っている様子です。

情報共有ツールは?

2つのプロジェクトで大きな違いが見られたのが、MLやスケジュールなど、仲間との情報共有ツールについて。SkypeやGoogleドキュメント、カレンダーなどのあらゆる機能を使いこなしているというシブカサに対し、ハイタッチ隊はGoogle GroupのML機能のみ。基本的に顔を合わせて話し合うことを重視しているとのことです。平井さん曰く、「ハイタッチなので、やっぱり目と目を見て笑顔で話さないと」とのこと。対照的に「Skype大好き」という末原さんも、やはり大事な案件などについては対面で。週1回はきちんとメンバーと顔を合わせて話すようにしているそうです。

手段はどうあれ、プロジェクト推進において最も大切なのは、やはりメンバー間のコミュニケーション。それぞれにあったツールやシステムを活用しながら、コミュニケーションを円滑にするよう努めているようです。

今後は?夢は?

トーク後の会場からの質問は、プロジェクトの未来像に関することに集中しました。この先プロジェクトをどうしていきたいと考えているのでしょうか?

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「メンバーそれぞれの考えがあり、正直その答えは出ていない」という平井さん。7人がフラットな関係で成り立っているハイタッチ隊は、それぞれの状況も変化するので、やはりこれからも「できる人がやっていく」というスタンスを取っていくようです。平井さん個人の考え方としては、「活動には、朝早くからたくさんの人が集まってくれる。応援してくれる人がいる限りは、何らかの形で続けていきたい」とのこと。そして、「最終的には社会を明るくしていきたいというところに行き着きますね」という言葉からは、形よりも想いにこだわる姿勢が伝わってきました。

末原さんも、「提携店や協賛企業など、みなさんの善意で成り立っているので、そういう方がいる限りはがんばっていきたい」と言い、ゴールに関しては、「どんどん変わっていっている」とのこと。「状況によってゴールも変わっていくし、その方が楽しいと思っています」という、自分サイズから始まったマイプロジェクトの発起人らしい発言も飛び出しました。

状況に合わせてスタンスを変えていける柔軟な考え方、協力者への感謝の気持ち、そして自らも楽しむ心。2人に共通するものはたくさんありますが、強く感じられたのは「志がぶれていない」こと。それぞれの原点にあるシンプルな想いを軸に行動するふたりの姿は、会場のお客さんにもとても印象的に映ったことでしょう。トーク後のネットワーキングタイムでも、積極的にご自身のマイプロジェクトについて話す参加者のみなさんの姿がたくさん見られましたよ。

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さあ、次はみなさんの出番です!
“マイプロジェクト発射台”のgreenz.jpと一緒に、新しいこと、始めてみませんか?

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みなさんのマイプロジェクトを@greenzjp で紹介しちゃいます!

green drinks Tokyo、次回開催は3月10日(木)!

green drinks Japan、全国で続々開催中!