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“離島に灯りを灯そう” 島と島、人と人をつなぐプラットフォーム、「離島経済新聞」

離島経済新聞

離島経済新聞

 離島経済新聞(リトケイ)というサイトをご存知でしょうか? いわゆる経済ニュースとはちょっと違います。日本全国の離島に焦点を当て、各島のもつ良さを紹介しながら、島と島、人と人をつなぐプラットフォームを提供していこうというもの。Facebookなどのソーシャルネットワークを駆使して、移住や雇用情報や、島人とクリエイターをつなぐ場を作ることを目指しています。

— なぜ「経済新聞」?—

昨年10月22日にオープンしたこのサイトは、まだβ版とはいえ、NHKの報道番組やソトコトに取り上げられるなど、早くも世の注目を集めています。
気になっていたのは、そのサイトコンセプト。
——–
「離島に灯りを灯そう」
「離島をつないで群島にしたい」
「日本を宝島にしたい」
——–

現在サイトには「島経済新聞」として広島の大崎上島と新島の取材レポートが掲載されています。島の産業の現実を知ってもらおうと、生産者へのインタビュー、島へ移住した人の話、住人同士による対談など、島を内側から知ることができる情報ばかり。

大崎上島の「島経済新聞」

大崎上島の「島経済新聞」

いったいこのサイトを媒介にして何が起こっていくのか?
発起人の一人、イサモトアツコさんにお話を聞きました。

まずやりたかったのは、本当の島の良さが伝わるような情報をわかりやすく伝えたいということでした。離島に興味がある人たちが欲しいと思うのは、観光情報だけではなく、もっと島の内側がわかる情報。以前、島に行こうとネットで調べたとき、ひとつひとつのサイトが古かったり、整備されていなかったりしてとてもわかりづらかった。これじゃせっかく島に興味をもってもそこで終わってしまう気がしました。

「離島経済新聞」という名には、これまでに伝えきれていない島の本当の良さを伝えることで、もっと島に人が訪れるようになったり、今売れていないものが売れたりして、経済の活性につながれば、という思いがこもっています。“地域活性”という言葉はおせっかいな印象があって好きではないけれど、ここでは、もっと具体的に人と人を動かす仕組みをつくっていくことで“経済の活性”につながることができるのでは、とイサモトさんは思っています。

自分たちが情報発信するだけではなく、この見せ方や編集手法をパッケージとして島の人たちに提供したいとも思っているんです。地元にいらっしゃる方々のほうが島のことはよくわかっているし、島のために何かしたいと思っているクリエイターの力を借りることができるかもしれない。その人たちをつないであげることで、具体的に形になる輪が広がっていくのではないかと感じています。

—Facebookの実名制は、島の人たちとのコミュニケーションに最適—

今、二つの島の「島経済新聞」をモデルケースとして公開したところですが、次のステップで目指すのは、島と島、人と人をつなぐこと。twitterでは島の情報をツイートし始めてから、現時点で1000人以上のフォロワーがつきました。けれど、匿名での交流に慣れていない島の人々とは、実名制のFacebookのほうが向いているかもしれないとイサモトさんは思っています。

このサイトを立ち上げてから、島の方々からたくさん声が寄せられました。島に活気を取り戻そうと頑張っている人同士が、海を超えてつながれたら。これだけtwitterやfacebookが手軽に使える時代。これを使わない手はない!(笑)でも、このコミュニティを元に、実際のプロジェクトにつなげていきたいと思っているので、お互いに言いっ放しではなく、信頼できるコミュニケーションがとれることが大切。その点、匿名ではなく実名制のFacebookの方が適しているかもしれないと思っているんです。

1月中には、Facebookに目的別に5種類のコミュニティをつくる予定。島に住むための生活情報と、楽しむための情報は敢えて別のコミュニティにするのだとか。実際に島の人たちと一緒にプロジェクトを進めるためのクリエイター専用の場も考えています。

facebook上のリトケイサイト

facebook上のリトケイサイト

<これから創設予定のコミュニティ>
1.島の生活情報を得られるコミュニティ
2.観光など島を楽しむ情報を得られるコミュニティ
3.リトケイからの公式なお知らせ情報を得るファンクラブ
4.離島クリエイターズクラブ(仮) (離島好き、離島のために何かしたいクリエイター、カメラマン、デザイナー、ライターなどのコミュニティ)
5.クリエイター以外の離島に関わりたい人向けのコミュニティ

島の人、島に住んでいなくても何かしたいと思っている人、デザイナーやカメラマンライターなどのクリエイターがそれぞれつながる場を作ることで、イベント、商品開発、企業とのタイアップなど、島のよいものを世界の人に知ってもらうためのプロジェクトを実行していけたら、と考えています。

つまり、目指すのはこんなフロー。
島の情報発信→コミュニティづくり→そこで生まれたネットワークを元にプロジェクトを実行→島の経済活性化

日本はもともと世界から「黄金の国」と言われていた宝の島。今の日本も「世界の宝島」にしたい。島には変わらずたくさんのいいところがあって、それに皆が気づけば世界の人たちにももっと注目されるようになるはず。日本全国の離島を自分たちの手で何とかできる訳ではないけれど、問題を持っている人と解決のお手伝いができる人をつなぐ場はできるかもしれないと思っています。

日本はそもそも島国。
「離島経済新聞」のビジョンは、離島と離島がつながって群島になり、そのひとつひとつに灯が灯ることで、世界の「輝く宝島」を目指そうということなのです。

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