記録的な猛暑となっている2010年の夏、皆さん、いかがお過ごしですか?
円高などの影響もあり、昨年に比べて、海外でバカンスを過ごす人が増えているそうですが、そんな素敵なひとときをすでに楽しんだ人も、これから予定がある人も、そうでない人も、こちらの記事で、ひととき、コペンハーゲン旅行を楽しんでみましょう。
コペンハーゲンといえば、北欧デンマークの首都。2009年12月、「気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)」の開催都市として、世界中から注目を集めました。欧州の環境に優しい都市を表彰する「European Green Capital Award2011」でもファイナリストに選ばれた世界を代表する環境都市であり、「自転車王国」としても知られています。
では、実際、コペンハーゲンって、どんな街なのでしょう?
次の3つの観点から、この街の様子を覗いてみましょう。
その1: “ヒトが主役”の街
Copenhagen’s Car-free streets & Slow-speed zones from Streetfilms on Vimeo.
コペンハーゲンのヒトを中心とした街づくりの歴史は古く、1960年代初めには、街の中心部を1キロにわたって自動車の通行を全面禁止。中心部にあった18ヶ所の駐車場は、市民の憩いの場となる公共スペースに転換されました。自動車に邪魔されない広々とした空間で、子どもたちはのびのびと遊び、大人たちはカフェで楽しくおしゃべり、若者が噴水で大騒ぎ、などなど…。人々は、自分らしく、自由に、それぞれの時間を過ごしています。
また、自動車と歩行者が安全に共存できる仕組みも整えられています。代表的なのが、自動車のスピード制限。近隣住民がいる地域では自動車の速度を時速15キロに制限しているほか、道路にあえて「コブ」を作るなど、自動車のスピードの出しすぎを防ぐ工夫も施されているそうです。
その2: 自転車と自動車が共存する街
Cycling Copenhagen, Through North American Eyes from Streetfilms on Vimeo.
コペンハーゲンで自転車レーンが充実していることは広く知られていますが、ここにはさらにちょっとした秘密が…。自動車レーンと自転車レーンとの間に2~3インチ(約5~7.5センチ)というわずかな段差が設けられているのです。これによって、より安全で快適に自転車を利用することができるとか。また、自動車の速度制限もさることながら、クルマ中心社会と異なり、コペンハーゲンのドライバーは、自転車と共存する環境に慣れているので、自動車の動きを理解しながら安全に運転でき、これが、自動車と自転車の安全な共存につながっているそうです。
その3: 「自転車は市民の足」な街
コペンハーゲン市民にとって自転車は欠かすことのできない移動手段。「Christianiabike」(クリスチャニア・バイク)のようなカーゴ型自転車で、お子さんを送り迎えするパパさん・ママさんも珍しくありません。現在、通勤通学の38%以上に自転車が利用されていますが、コペンハーゲン市では、2015年までにこの割合を50%に引き上げることを目指し、自転車道路や駐輪場のさらなる充実を図っています。
コペンハーゲンの特徴は、なんといっても、街全体が、自動車に過度に依存する社会から上手に「卒業」している点。インフラ面を整備することも、市民それぞれのライフスタイルを変えることも一朝一夕には実現できないけれど、「小さなことから徐々に積み重ねていけば、ヒトが中心の街づくりができるんだ!」ということを、コペンハーゲン自身が、証明してくれています。
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