「何でもしたいことしていいよ、って言われたら何がしたい?」
「お化粧がしたい!」
これは、低所得者層にあたるトルコ人女性に、日本人の女性が問いかけた質問とその答え。世界中どこにいても、美しくなりたいと言う女性の気持ちは共通のもの。お化粧は私たち女性の心を一瞬で変える魔法のような威力を持っている。“美”というものは、女性にとって、時にお金より大切なものなのかもしれない。
そんな“魔法”を世界中の女性に届けて心を彩ろうという動きが、ひとりの日本人女性の想いから始まった。その名も“コフレ・プロジェクト”。使い切れずに家で眠っている化粧品を集め、途上国を中心とした化粧を楽しめる環境下にない地域に届けてその喜びを分かち合う、女性による女性のためのプロジェクトだ。
始動したばかりのこのプロジェクトが最初に化粧品を届けたいのは、トルコ共和国の低所得層の女性たち。女性の識字率が圧倒的に低く、古くからの慣習によって抑圧された環境にいる彼女達は「メイクをしてみたい」、「一度でいいからおしゃれをしてみたい」という願いを持っている。この想いを叶えるべく、代表の向田麻衣さんがトルコに出向き、現地NGOと連携して現地女性に向けたメイクアップワークショップを行う仕組み作りを行う予定だという。ワークショップで人生に彩を与えるだけでなく、識字教育や現地で必要な情報交換もできる場も作っていくとのことだ。
活動の認知拡大のため、先日、プロジェクトのお披露目イベント「Coffret Party」(2010/1/9開催)が開催された。
余ったコスメを会場で集めるのはもちろんだが、そのコスメを使ってアーティストが絵を描くアートパフォーマンス、THE BODY SHOPによるパーティメイクレッスンなどが行われ、会場は大盛況。
特に好評だったのがコスメで絵を描くワークショップ。コチラの写真で壁に貼ってあるのは、参加者がポストカードに化粧品を使って描いた作品の数々だが、どれも力作ぞろいだ。
普段大事に大事に使っている化粧品で描いてしまう爽快感も手伝い、大胆な発想で描かれたポストカードからは、不要となってしまったものから新たなアートが生まれる可能性を感じることができる。約半分を占めた男性参加者も、化粧品の使い方に戸惑いながらも、それぞれの方法でアートを楽しんでいたのだとか。
イベントではこれらのパフォーマンスを通し、参加者とともにメイクで世界をつなぐ可能性を感じ、想いを共有することができたようだ。
今後は、イベントで好評だったアートワークショップのほか、メイクを通じた現地ボランティアツアーを企画するなど、日本人女性が参加できる機会を多く提供していく予定。現在、化粧品は十分な量が集まっているというが、共感できると感じた方は、こういった活動を通してコフレ・プロジェクトに参加してみてはいかがだろう。今後の予定はプロジェクトのホームページとブログでチェックできる。
コフレ・プロジェクトは、現地女性の「支援」が目的ではない、と向田さんは言う。向田さんが友人や知人にプロジェクトの話をすると、必ず何かに気付き、何かしたいという反応を示してくれるという。そんな想いを世界につなぎ、喜びを分かち合うことがプロジェクトの本当の目的なのだという。
「コフレ」はフランス語で“宝箱”という意味。女性にとって大切な想いがつまった宝箱の鍵が、今、コフレ・プロジェクトによって開かれようとしています!
化粧品で世界中の女性を彩るプロジェクトに参加しよう!