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独学で風力発電しちゃったアフリカ青年にアル・ゴアも熱いエール!

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William’s Windmill: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by williamkamkwamba

2002年、東アフリカの国・マラウイ(Malawi)は過去50年で最悪の干ばつに見舞われた。農家は収入を失い、子供は貧しさゆえ学校に通えなくなり、村人は飢餓や疫病に苦しんでいる。そんなとき、首都リロングウェ(Lilongwe)近くの村で風力発電に取り組む一人の青年がいた。彼の名はウィリアム・カムクワンバ(William Kamkwamba)君。当時、弱冠14歳だった。

2002年の干ばつで父が収入を失い、学校を辞めることになったウィリアム君は、独学で勉強を続けようと近所の図書館に通っていた。そこで偶然出会った書物「Using Energy」が彼の運命を大きく変える。この本で風力発電の写真を見た彼は、自分で風力発電の仕組みを作り、家に電気を通そうと思い立ったのだ。とはいえ、当時マラウイ国内の電力普及率はたった2%。村人たちや家族にとってすらも、彼の挑戦は荒唐無稽と感じられたそうだが、彼はけしてあきらめなかった。風力発電の構造を自ら解き明かし、ゴミ捨て場から廃材を拾い集め、約2ヶ月で風力発電用の風車の設置に成功した。

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Working on Windmill: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by williamkamkwamba

また、風車で発電した電力を自宅で使うため、配線工事も自ら実施。

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Wiring at House: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by williamkamkwamba

見事、自宅に電球が灯り、ラジオなどの家電製品も使えるようになった。

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Lighting in a Room: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by williamkamkwamba

ウイリアムはその後、2009年までの7年間で5台もの風車を村に設置。おかげで、村の多くの人々が電力を得られるようになったそうだ。この取り組みがマラウイの新聞「The Malawi Daily Times」や2007年タンザニアで開催された「TEDGlobal 2007」などで採りあげられるにつれ、ウィリアム君の活動の幅はさらに広がっていく。奨学金を得て学校に戻り、勉強を続ける傍ら、マラウイの経済的自立と教育環境の向上のため「Moving Windmills Project 」というプロジェクトを立ち上げ、地元の学校に風力発電用風車を設置したり、子供たちのために図書館を設立するなど、様々な課題に取り組んでいる。以下の動画はウィリアム君の半生を描いたショートドキュメント。彼の真摯な姿とその思いが映像を通して語られている。

ウィリアム君の成果は、私たちが今直面している課題に立ち向かい解決できるのだということを示している。彼の風車は地域の生活を向上させたのみならず、住民たちの魂を奮い立たせた。

元米副大統領のアル・ゴア(Al Gore)はウィリアム君の取り組みについてこのように述べ、賞賛の意を表している。彼の一連の取り組みは、再生可能エネルギーの発展途上国での有効性を示した一例ともいえるし、子供に教育の機会を与える大切さを再認識させるものでもある。また、希望を持ち地道に取り組むことで、一見”無理だ”と思える大きな課題も解決できるという私たち人間の底知れぬパワーを感じさせるひとつの事実でもあるだろう。

さて、あなたはウィリアム君から何を感じましたか?

ウィリアム・カムクワンバ君の自伝「The Boy Who Harnessed the Wind」を読もう