かんかん照りの夏場、アスファルトの道路の上は灼熱地獄、この熱どうにかならないの?なんて思った人も多いはず。アスファルトは太陽熱や車から出る熱を吸収して熱源となり、周囲の気温を押し上げ、ヒートアイランド現象や地球温暖化の原因となる。
なら、道路そのもので太陽光を吸収させてソーラー発電すればいいんじゃないの?と考えたあなた、冴えてます。そんなアイデアが今実行に移されようとしているのです。では詳しく見てみましょう。
ソーラー発電する道路を作るという発想を実現しようとしているのはScott Brusawが設立したSolar Roadway社、簡単に言えば道路の土台の上にソーラーパネルを敷き詰め、その上にガラスを葺いてソーラー道路を作ろうというものだ。2009年8月にはアメリカ連邦運輸省(USDOT)から10万ドルの予算を得ることに成功し、いよいよ実現に向けて走り始めた。
まずこのソーラー道路の利点はというと、まずはなんと言ってもグリーン発電が可能だということで、Solar Roadway社の試算によると、アメリカの州間高速道路のすべてがソーラー道路になれば、アメリカ合衆国で必要な電力のすべてをそれでまかなうことができるようになるはずだという(12インチ×12インチのパネルで7.6kwh発電するとして計算した場合)。これが本当なら相当すごい。もはや火力発電所も原子力発電所も要らなくなるのだから。
そして、副産物的な利点として、発電層にLEDライトを埋め込むことでセンターラインを表示したり、速度制限などのさまざまな道路標識を表示したりできるようになる。また、ヒーターを埋め込むことで雪を溶かすことができ、除雪が不要になるという。
©Solar Roadways™ Animation by Dan Walden
しかし課題も簡単に思いつく。たとえば表面がガラスだと滑りやすいんじゃないかという点、これについては最先端の研究者の協力を得てアスファルトと同程度に滑りにくいガラスでコーティングすることは可能だと説明する。ただ、汚れや摩耗に対する対策は最も難しいところで、光触媒の作用と雨水によってある程度汚れを防ぐことは可能だとしているが、清掃車を使うことも考えなければならないと説明している。
そんなに開発が難しいなら、道路の上にソーラーパネルの屋根をつければいいじゃないかと私も考えた、しかしSolar Roadway社は今あるアスファルトをソーラー道路に置き換えるほうがコストの面でもエネルギーの面でも効率的だと言う。確かに屋根を設置した場合、現在のアスファルト道路を維持する費用とエネルギーは継続してかかることになる。となると、せっかくのソーラー発電の効果もある程度相殺されてしまうというわけだ。
詳しく見て行けば行くほど本当によく考えられ、計画されたプロジェクトである。実用化にはまだ時間がかかるということだが、実現が待ち遠しい。
ソーラーについての記事を読んで勉強しよう!