地球に海が生まれておよそ40億年。その長い歴史の中で、海にはさまざまな生物が誕生してきた。20世紀も終盤に差し掛かり、特に先進諸国の人間が快適な生活を送るようになるのと反比例するように、海を棲み家にしてきた生物たちの生命を脅かす、地球史上最も凶悪な生物が海に頻繁に出現するようになってきた。
KLAS ERNFLO氏のサイトより引用転載。大きなサイズのデータはこちら。
その正体は、プラスチック製の容器や、アルミ缶やガラス瓶、電池、タバコのフィルター、蝋引きの厚紙(carton)、衛生用品、エンジンオイルなど、人工的に作られ、捨てられたものたちだ。魚やエビ、ヒトデ、貝など、海洋生物に似せられた写真とともに、名称、生まれ(Origin)、振る舞い(Behavior)、平均寿命(Average lifespan)を図鑑さながらに記載している。海の先住者たちに及ぼす影響や平均寿命はまちまちながら、それぞれが、海の生態系に少なからぬ影響を与えている様子を細かく説明している。
このポスターは、スペインのカタルーニャ自治州政府が2005年に実施した、地中海クリーン・キャンペーンで作られたもの。ポスター曰く、世界中で、毎日800万トンもの廃棄物が海に流れ着くという。これらの漂流物も、然るべき場所で回収していれば、リサイクルの資源になりえたかもしれないもの。それが、人間の軽はずみな行動で、「ゴミ」を超えて、海の生物たちの脅威と化している。
人が捨てたモノが海の生態系を脅かし、結果的に人に返ってくる。負の連鎖を断ち切るには、軽々しくゴミを捨てないことしか道はない。驚くほど簡単なことだが、負の連鎖がなくならないのは、人間が愚かだからか…?地球上の人間以外の生物から、「あいつらバカだよね」と後ろ指をさされないように、人間も賢く生きていきたいものだ。