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アイデア満載!「廃校リニューアル50選」で校舎の未来の姿を見てみよう。

Creative Commons, Some Rights Reserved, Photo by jasohill

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もしあなたの通った小学校が廃校になり、校舎がなくなってしまったら……。やっぱり寂しい気持ちになりますよね。でも少子化が進む現在、これは現実に起こりうる話。

そんな多くの人の想い出がぎっしり詰まった校舎に、次なる役割を与えた事例を集めたのが、「廃校リニューアル50選」だ。文部科学省が2003年に発表したもので、全国50のリニューアル事例がホームページで紹介されている。

いったいどんな変身を遂げたのだろうか?50のうちのいくつかを見てみよう。

この事業は、文部科学省

1. 廃校活用に取り組んでいる市区町村等担当者の間で、事例を広く共有し、円滑な活用の促進、新たなアイディアの換起を図る。

2. 市区町村等における廃校についての後ろ向きの印象を払拭し、地域の財産として有効に活用する気運を醸成する。

ことを目的に約半年の調査期間を経て選定し、発表したもの。

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「廃校リニューアル50選」ホームページより 

公立学校としての活用や解体後の新築事例は対象外で、その活用方法や運営方法、建物、また検討プロセスに特徴のあることが選定基準。各都道府県の教育委員会からの推薦を元に、教育関係者らが参加する「廃杖施設の実態及び有効活用状況等調査研究委員会」が現地調査などにより絞込みを行った。これが、なかなか面白い顔ぶれとなっているので、いくつかご紹介しよう。

まずは過疎化のための統廃合という歴史がありながら、子供のための体験型アミューズメント施設となった兵庫県篠山市の「篠山チルドレンズミュージアム」。学校では学べない“創造性豊かな人づくりと子供たちの「生きる力」を育む拠点づくりを目的に2001年に市の運営で設立された。

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篠山チルドレンズミュージアム ホームページ

ここでは、木造校舎や体育館から生まれ変わった「ワークショップ棟」「体験シアター棟」「かまどワールド」など、様々な施設で体験型のイベントやワークショップを楽しめる。疲れたら「魔法の庭」と名付けられた校庭でゆっくり休んだり、レストランで食事したり……学校という親しみやすい雰囲気と自然豊かな環境の中、いきいきと走り回る子供達の姿が目に浮かぶようだ。廃校利用のメリットを存分に生かした施設といえるだろう。

レストランや宿泊・温泉施設として観光スポットに生まれ変わったのは、山梨県北杜市の「三代校舎ふれあいの里」。明治校舎、大正校舎、昭和校舎という各時代に建てられた3つの校舎を復元・更新し、それぞれの用途に活用するという珍しい廃校利用形態だ。

昭和校舎の中にあるレストランでは「おいしい学校の給食」「校長先生のお弁当」といったメニューを懐かしい雰囲気の中で味わえるなど、ユニークなアイデアもいっぱい。

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レストランのメニュー一例

入浴施設パン工房、特産品売り場など観光施設も充実しているので、宿泊して里山の雰囲気を存分に味わうのもオススメだ。今では観光客が後を絶たない話題のスポットとなり、町おこしの役割も果たす成功事例と言えるだろう。

そして、いかにも東京らしいリニューアルで選出されたのは、ベンチャー向け貸しオフィスの「西日暮里スタートアップオフィス(NSO)」。ベンチャー企業にとって大きな負担となるオフィス賃料を安く提供できるメリットはもちろんのこと、学校という開放的な雰囲気が入居者同士のコミュニケーションを活発にする役割も果たしているという。

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西日暮里スタートアップオフィス(NSO) オフィスの一例

ご覧のとおり、改修は最小限にとどめているため、学校の雰囲気がそのまま。自然とリラックスした雰囲気の中、新しいビジネスが生まれていることだろう。東京ではそのほかにも、世田谷ものづくり学校など、少子化の影響で廃校となった校舎の有効利用が進んでいる。都会ならではの廃校利用のアイデアは次々に登場しそうだ。

文部科学省の調査では、10年間(平成4年度から平成13年度)の廃校数は、小学校、中学校、高等学校等(高等学校及び特殊教育諸学校)を合計すると、2,125 校。小学校が全体の7割で、その数は年々増加傾向にある。そのうち、現在活用されているものは6割強で、建物がそのままで未活用のものも1割以上存在する。

廃校に歯止めをかけることは難しい状況だが、このような有効活用が進み、新たなワクワクが生まれる場所として生まれ変わっていくことを期待したいところ。

多くの人が子供時代を過ごした学校という財産を、未来へ引き継ぐ廃校利用。他にもまだまだアイデアはあるはず!あなたならどんなリニューアルを考えますか?

世田谷ものづくり学校に行ってみよう