たまたま長時間通話しなければならなかった日など出先で携帯電話の充電が切れてしまって困ったことがある人は多いはず。そんなときのために携帯用の充電器を持ち歩いている人もいるかもしれない。でも、携帯用の充電器は電池式だったり使い切りだったりとちょっと使うのに気が引けることも確か。
ということで、そんなときに太陽にかざして充電できる携帯電話がauから発売されることとなった。メーカーはシャープで、電池が空の状態なら10分間の充電で1分間の通話または2時間の待ち受けが可能になるという。海外ではサムソンなどから同様のソーラー携帯が発売されているが国内では初、また防水機能を併せ持つものは世界でも初だという。
また、本体のソーラーパネルで電池容量の80%まで充電が可能だという。ただ、携帯電話を日なたに長時間放置するというのはちょっと…という気がするからあくまでも非常用と考えたほうがよさそうだ。
ソーラーで携帯を充電するというコンセプトは素晴らしいが、携帯電話に必要な電力を再生可能エネルギーでまかなおうと考えるなら、安定して発電できるシステムを自宅などに設置して、そのシステムによって発電された電気を形態に充電するほうが当然、現実的だ。
携帯電話用のソーラー充電器としては携帯ストラップ型などさまざまなものが発売されているが、携帯電話各社、携帯電話メーカー各社の純正品として発売されているものは現在はない。もし携帯電話会社やメーカーが再生可能エネルギーで携帯電話の電力をまかなうことを本気で考えているのだとしたら、コンセプトモデルよりも実用的なシステムこそ開発するべきではないだろうか。
そこには実質的なものよりもキャッチーなコンセプトモデルを求める日本の消費者の傾向が大きく寄与していることは否めない。しかしそのような消費者に迎合するのではなく、本質的な製品を提供していくことこそサステナブルな社会を実現するためには必要なのだ。
NTTはドコモの堅調など景気悪化の影響を免れて2009年3月期の営業利益が国内トップとなった。それだけの資金があるなら、イメージ戦略に金を注ぎ込むだけでなく、実質的な製品の開発にも力を入れて欲しいものだ。ケータイは日本国民のほとんどが持っている“日用品”。そこが出発点となりえれば、サステナブルな社会の実現も消費者の成熟もぐっと現実味を帯びてくる。ソーラー携帯というコンセプトは真にサステナブルな未来への礎となることができるのか、今後の携帯電話業界の展開に注目だ。
ソーラー発電する電池を作る!
携帯電話のリサイクルについて考える