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離島にも光を!電化はまだまだ切実な問題

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by 917press

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フィリピンは日本人にとって比較的親しみのある国である。多くのフィリピン人が日本にやってきているし、セブ島のような有名なリゾート地もある。しかし、そのフィリピン国民の20%はまだランプにかまどの生活を送っているという。でも、サステナブルな技術によってフィリピンは変わろうとしているのだ。

先進国ではCO2排出量削減のための省エネが叫ばれる一方で、まだ電気の恩恵にあずかっていない人々もまだまだ多いということはgreenzでもくり返し取り上げてきた。電気がない生活は私たちにはもはや想像できない。想像できないくらいだから、電気の恩恵にあずかっていない人々は非常に不利な立場にあるといえる。

電気がなければ夜は勉強できず教育もままならない。電気がなければ機械は動かず、産業の機械化は進まない。電気がなければテレビもパソコンも使えないから情報が伝わらない。電気のあるなしはありとあらゆる格差につながり、電気のない途上国は発展も遅れるという悪循環に陥る。

たとえばアフリカでは電化率が50%を切る国も多く、モザンビークやブルキナファソは10%未満にとどまっている。アジアでもネパールやバングラデシュで30%台、インドネシアでも50%台である。世界の多くの国々では、生活水準を世界レベルに押し上げるための最低条件である電気を欲している人々がまだまだたくさんいるのだ。

そしてフィリピンもまたそのような国の一つである。フィリピンは群島からなる国であるため、特に小さな島々にある村にはほとんど電気がいきわたっていない。発電所から海底ケーブルを使って電気を供給するためのコストを国が捻出することができないのだ。

そんな電気のない村々で電気を使えるようにするために、再生可能エネルギーによる電化を推し進めているNPOの一つにRuralLightという団体がある。この団体は単に電化を図るだけでなく、それを再生可能エネルギーで行うことで未来志向の変革を可能にしている。その活動は始まったばかりだが、まずはレモングラスオイル精製のためのプラントをソーラー発電でまかなう計画を今年中に完成させる予定だという。

このような活動を行っているのはRuralLightだけではない。日本のJICA(国際協力機構)も2004年からフィリピンの地方の電化を推進しており、最近では2009年1月にパナイ島アンティケ州セバステ町にマイクロ水力発電所を建設している。JICAもRuralLightと同様に再生可能エネルギーに注目し、それを積極的に利用している。

これは、再生可能エネルギーによる発電が小規模なものなら比較的容易に出来ることによるのだが、それならばすでに電化されている地域でも再生可能エネルギーによる独立した電気供給が可能なのではないかという気がしてくる。大規模な発電所は発電の効率はいいが、長距離の送電は電力のロスが大きく、遠隔地に送電する場合、結局効率が悪くなってしまう。たとえば海底ケーブルによる送電を受けている離島で再生可能エネルギーによる電力自給が可能になれば、環境負荷も減るし、効率もよくなる。

技術的には難しいことも多いだろうが、フィリピンがモデルとなって世界中で平等でサステナブルな電化社会が実現したら素晴らしい!