ホワイトハウスのオフィシャルサイト「whitehouse.gov」は、オバマ新大統領が就任式典を行っている正にその最中に、コピーライトに関する表記をChange(変更)した。whitehouse.gov内のすべてのサードパーティー製のコンテンツを、クリエイティブコモンズのライセンス下に置いたのだ!
whitehouse.govが採用したクリエイティブコモンズ(Creative Commons=以下CC)のライセンスは、Attribution(表示)という最も緩やかな条件のもの。CCのAttributionライセンス下に置かれるということは、一体どんなことなのか。
例えば、whitehouse.govにある画像は、オバマ新大統領も、モノクロでクールなケネディ元大統領も、クリントン元大統領のペットの猫ちゃんも、全〜部ダウンロードしてきて自由に使っていいということ。
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by whitehouse.gov
著作者を明らかにするという条件や、最低限のモラルさえ守れば、加工や利用方法に細かい制限は無いし、利用に際して許可を取る必要もない。そして、もちろんロイヤルティーフリー。
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by whitehouse.gov
インターネットの世界では、コンテンツや情報がオープンであることは、もはや珍しいことではない。特に英語圏の世界では、情報や知的財産のパブリックな意識に関して、日本よりもかなり進んでいるように感じる。アメリカでは、国の最高機関であるホワイトハウスが、今回その意識を明らかにし、実践しているのだ。
オバマ大統領は、就任式典の演説で「新しい責任の時代」と言った。
whitehouse.govの素材が自由に使えるということは、利用者はその素材に関して自己責任を負うということになる。新しいアメリカ政府は、アメリカ国民だけでなく全世界の人たちに、素材利用に関する責任を委ねてくれているということだ。すなわち、全世界の人たちを信頼しているということでもある。
このことを直接指している訳では無いけれど、これもまた“新しい責任”の一つとして受け取ることもできる。
同じ時代に生きている日本人として、今回は素直にアメリカがうらやましいと思った。同時に、このままでは日本は時代に取り残されてしまうかも、と一抹の不安も抱いた。
でも、インターネット上で情報がオープンにされているということは、お金が無くても、コネが無くても、国が違っても、誰にでも自由に選択ができるということだ。その情報を使って、何をしても、何もしなくても、あなたの自由。条件は世界中の人に等しく与えられている。
さあ、あなたはどうする?
Can you change?
Yes, we can !