枯渇しつつある石油に代わる燃料として期待が持たれたバイオ燃料が食料価格の高騰を呼んだ2008年、更なる代替燃料として非食料のバイオ燃料の開発が急がれる。そんな中、JALは非食料のバイオ燃料を使用したデモンストレーション・フライトを2009年1月30日に実施すると発表した。
今回使用されるのはJAL、ボーイング社、プラット・アンド・ホイットニー社が共同で開発したアブラナ科の植物カメリナを主原料とするバイオジェット燃料で、カメリナ以外の材料もジャトロファ、藻という非食料の原料を使用している。
カメリナはアメリカ大陸やユーラシア大陸に広く分布する植物で、種から取れる油は従来ランプ油や化粧品として利用されている。小麦などの輪作植物としても使用され、乾燥した土地でも育つため、食糧生産が難しい土地でも生産することができ、カメリナ栽培の広がりによる緑化にも期待が持てる。
今回のデモンストレーション・フライトは羽田―八丈島間の1時間のフライト。実際に使用されるのはバイオジェット燃料を50%配合した混合バイオジェット燃料で、4基のエンジンの1基のみに使用されるだけだが、バイオ燃料で飛行機が飛べることを示すことには大きいな意味がある。飛行機は燃料を大量に消費するだけでなく、汚染物質を高い高度で直接空に撒き散らしてもいる。この飛行機の燃料がバイオ燃料に置き換われば、環境に与える負荷が大きく軽減することは間違いない。
いままではあまり脚光を浴びることのなかったカメリナなる植物が、地球環境保護の切り札となる可能性があることをこのフライトが教えてくれるかもしれない。