“オープンソース”という概念をご存知だろうか?
ソフトウェア開発などの設計段階で、インターネットなどにソースコードを無償公開し、誰にでもソフトウェアのバグ取りや改良ができるようにすることがある。問題解決のために世界中の人の手を借りようという、人間の善意に基づいた、インターネット時代の新しい考え方である。今や、オープンソースはソフトウェア開発だけに止まらないらしい。なんと、環境保護やサスティナブルな社会のためにも使われているのだ。
Geotourism Challengeは、観光地の環境保護や現地のサスティナブルな社会のために、オープンソースなコンペを開催した。
Geotourism Challengeを運営するのは、Changemakersというオープンソースコミュニティ。単体のソリューションをコラボさせ、みんなでアイデアを出し合いながらコンペしながら、今まで解決できなかった問題を解決するベストソリューションを作り出そうとしている。Geotourism Challengeは、Challengemakersが運営する観光分野のコンペの1つで、National Geographicがバックアップしている。
少し噛み砕いて言うと、世界中から困っている問題を募ってインターネットコミュニティの上に乗っけて、世界中の人で「こうすればいいじゃん」「うちのこれ使いなよ」なんて感じでアイデアを出し合いながら、「よっしゃこの活動を何とかしたろ!」と言ってくれる投資家や団体とコラボすることを目的としている。結果そのコラボレーションが、問題を抱えていた人にも、投資した人にもメリットがある活動となっていく、というわけ。
Geotourism Challengeでは、2008年1月〜6月までに、世界83カ国から319のエントリーがあり、コンペの結果3つの活動・団体が選ばれた。
コンペで選ばれたのは、ネパールの3姉妹が運営する地元女性ガイドのトレッキングツアー、コスタリカの熱帯雨林を回復させ原住民の社会を維持する活動、アマゾンのYachanaというエコツアープロジェクト。どれも観光地の環境を破壊せず保護し、維持継続させるために、地元の人や社会と共に観光事業を展開している。観光で得た収益は、現地の人や社会に還元され、それがまた環境保護へと還元される好循環な仕組みになっている。
Geotourism Challengeの地図を眺めていると、今度の旅はエコツアーに参加して、そんな好循環の一部になってみるのもいいかもしれない、という気分になってきた。でもその前に、誰か旅の資金を調達するいいアイデアありませんか?