先日、毎年この時期話題となるグッドデザイン賞の大賞をトヨタ自動車のiQが受賞したという記事をご紹介したが、今回も引き続き、グッドデザイン賞ネタを。
今年の結果発表でgreenz.jpが注目したのは,新設されたばかりの「グッドデザイン・サステナブルデザイン賞」。
地球環境問題を踏まえ持続可能な社会の実現をめざしていると認めるものに贈られる
というこちらの賞、栄えある3つの受賞作品をご紹介しよう!
まずはこちら、インターフェイス オーバーシーズ ホールディングズ インク による「タイルカーペット」。
インターフェイス オーバーシーズ ホールディングズ インク「タイルカーペット」
環境に配慮しデザインされたタイルカーペット
であるというこれらの作品、左から順に「エントロピー」、「B&W コレクション」、「ブラスト・フロム・ザ・パスト」。
「エントロピー」は、自然からインスピレーションを得てデザインされたもので、ひとつひとつのタイルのデザインやカラーが異なるためロット管理が不要となり、無駄を減らすことができる。「B&W コレクション」はバイオベースのヤーンを使用、「ブラスト・フロム・ザ・パスト」はリサイクル素材を使うなど、それぞれに環境への配慮がなされている。
ミッション・ゼロ。それは、私たちが環境に与える負荷のすべてを2020年までになくすという約束。
と掲げるインターフェイス オーバーシーズ ホールディングズ インクの企業努力が認められた結果となった。
2作品目はこちら、北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)のDMV(デュアル・モード・ビークル)。
(C)JIDPO GOOD DESIGN AWARD
日本ではあまり見かけない形のこちらのバス、路線と道路、どちらも走行可能なつくりになっている。道路走行は前後ゴムタイヤで走行し、線路走行は前後に格納した鉄車輪を線路に載せ、内輪のゴムタイヤの駆動で走行する。その切り替えはわずか15秒、しかも乗客を乗せたまま可能だという。
マイクロバスの活用したこの車両は、従来の鉄道車両と比べ、輸送量に適した小型・軽量化による省エネルギーとコスト削減を実現した。さらに双方乗り入れという利便性は、交通整備の財源に苦しむ地域の活性化にも一役買うことだろう。過疎地域の交通機関や、災害や事故時の交通システムとして、今後注目が集まること間違いなしだ。
最後はこちら、株式会社リコーの「環境調和型デジタル複合機」。
(C)JIDPO GOOD DESIGN AWARD
ただのコピー機と侮るなかれ。環境への徹底した配慮がなされた、リコーの技術の集大成ともいえる作品なのだ。
エネルギー消費効率の向上、消費電力削減、有害物質の削減はもちろん、印刷待機時の使用電力の利用による高速立ち上げの実現により、省エネルギーだけでなく利便性も高めた。また、製造工程でのCO2排出量を95%削減、リユース部品を全質量の88%に使用、環境型エコ包装によるゴミ削減など、これまで見落とされがちだったポイントにおいても徹底した環境への配慮がなされている。決して断片的ではなく、商品にまつわる全ての工程においてこだわった、最先端の環境配慮型コピー機といえるだろう。
どれも第一回受賞にふさわしい、アイデアと技術の集結した作品たち。歴史と伝統のあるグッドデザイン賞に、新たな風を呼び込む作品となることは間違いないだろう。
現在、東京ミッドタウン・デザインハブにおいて、「GOOD DESIGN EXHIBITION 2008」が開催中。これらの受賞作の一部に出会えるチャンス。ぜひこの機会に足を運び、デザインの新しい風を感じてみよう。