6月に開催されたGreen Week 2008で、新しいソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、『onedidit』の記者会見が開かれた。Green Week 2008は、資源の効率的利用と廃棄物削減を目的とした国際環境イベント。そこで紹介されるSNSとは、はたしてどんなサービスを提供してくれるのか?さっそく、登録してみた。
『onedidit』に登録すると、プロフィール入力のページに移る。その手順は、Facebookやmixiと変わらないと思う。違うのは、プロフィールの項目。趣味や興味分野などの記入欄はゼロ。その代わりに、普段使っている家電の種類・頻度、ドライブの距離・頻度、買い物先までの距離・移動手段、外食のメニュー・頻度など、日常生活で利用するサービスや資源についての項目がずらっと並ぶ。その一連の項目を入力し終わると、自分が1年間に消費する資源量が表示される。この資源量は、MIPS(Material Input Per Service)分析によって算出されているそうだ。
で、このMIPSとは??
MIPSは、サービスや製品のエコ効率を教えてくれる指標。もう少し専門的に説明すると、一単位のサービスや製品の提供に要するライフサイクルを通した物質・エネルギーの総投入量、ということになる。たとえば、ドライブのMIPSには、1人1キロあたりの移動に必要となる資源すべて、つまり車の生産や廃棄やリサイクルなどに必要なエネルギーや物質、ドライブ時に消費される燃料、そしてドライブ時に利用する道路などのインフラなどが投入資源に含まれる。同量の資源を投入しても、そこから生まれるサービスや製品を利用する人数が増えるなど、付加価値が上がれば、MIPSは小さくなる。
onediditのプロフィールページ。私のMIPSは、年間25,119キロ。EU基準を少し上回ってしまった・・・。
登録を終えてプロフィールを開くと、左側に自分の年間資源消費量、右側にMIPSの低い生活をおくるための「To Do」が並ぶ。その中から、自分がコミットできる「To Do」を選んでクリックすると、そのアクションによって削減される資源量が表示される。自前の「To Do」を思いついたら、それをポストして、他のユーザーに公開できる。自分と他のユーザーの年間資源消費量を比べることもできる。
そう、『onedidit』は、ユーザー同士のネットワーキングを目的としていない。目的とするのは、ユーザーが日々利用するサービスや製品のMIPSを意識して、省エネ・省資源につながるアクションを起こし、他のユーザーと意識づけしあうことだ。
『onedidit』には、エコ意識の高い人が集まってくる。世界中のエコ思想家と、MIPSという共通言語でコミュニケ―ションをとり、一緒にエコ・アクションを起こしていける。
さっそく『onedidit』に登録して、世界中に「I did it!」を発信しよう!