横浜市都筑区で、「G30生ゴミマイスター事業」が10月からスタートする。これは、一般家庭から生ゴミを分別回収してたい肥化、地元農家で野菜栽培に活用、地元で直売により消費、という循環を実践するもの。分別回収に協力してくれる約200世帯には“生ゴミマイスター”の称号が与えられるという。
横浜市では、平成22年度のゴミ排出量を13年度に対し30%削減する「G30プラン」を掲げ、市民と事業者が一丸となり取り組んできた。成果はすでに表れていて、平成19年度のごみ量は13年度比で38.7%も削減されたという。そこで始まった次なるステップアップ展開が、今回の「生ゴミマイスター事業」なのだ。
都筑区は横浜市の中で農家戸数が第一位。「都筑野菜」として直売所や区役所の朝市で販売するなど、以前より地産地消を推進してきた。今回の取り組みは、生ゴミのたい肥化と利用も加わり“一歩先を行く”地産地消。新たな軸が加わることにより、図のような三角形の循環が生まれ、結果として生ゴミの削減にもつながる。生ゴミマイスターは区民が自主的に参加する立候補制。目標を掲げて地域で取り組むことで、食べ物だけでなく、心の循環も生まれそうだ。
それにしても、「G30プラン」がこれだけ効果を発揮しているのは、横浜市の積極的な施策のおかげだろう。G30の特設ホームページには、市長からの熱いメッセージとともに、G30の目的や意味をわかりやすく説明している。市民に対しては3Rや分別の必要性を丁寧に説明し、事業者に対しては分別ルールを守らない場合の罰則を与え、一方で分別優良(三つ星)事業所の認定を行うなど、制度面もしっかりと整備している。
自治体が主導となり地元の取り組みを後押しし、市民に浸透していく。こんな取り組みが全国にも広がっていくことを願いたい。ちなみに「G」はこの事業に関連する3つの言葉の頭文字ですが、お分かりですか?気になる人は「G30」のホームページをチェック!