福岡県大牟田市に巨大な太陽光発電施設が建設されることが決定した。九州電力が2009年秋に着工し、2010年末に稼働する予定だ。このソーラー発電は、出力規模3000kWという、いわゆる“メガソーラー発電”。完成すると、国内第5番目の規模となる。
使われるソーラーパネルは1万5000~3万枚。これが、7ヘクタールの広大な土地に設置される。年間発電電力量は315万kWh、約1300トンの二酸化炭素排出抑制効果があると見込んでいるという。
福田ビジョンによって導入量の大幅増加の目標が打ち出された太陽光発電。導入量を“2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げる”という具体的数値も示された。もともと、日本のお家芸として世界一を誇っていた普及率も、現在ではドイツに抜かれているため、目標値にも力が入っているのがわかる。6月には、シャープ株式会社・関西電力・堺市が協同で世界最大級の太陽光発電の建設を発表したばかり。次々に国内に大型発電所が建設されることは、福田ビジョンの実現に向け、大きな一歩となりそうだ。
ただ、目標を達成するためには、今回のような電気事業者によるメガソーラー発電の全国展開に加え、新築持家住宅の7割以上が太陽光発電を採用しなければならないという。そのためには、一般家庭への補助金制度などの整備が不可欠と言えそうだ。これからの低炭素社会に向け、官・民足をそろえた対応が必然となってくるだろう。