一人ひとりの暮らしから社会を変える仲間「greenz people」募集中!→

greenz people ロゴ

芸術の秋到来!五感を刺激する『今年の環境写真家』展示会が開催!

greenz/グリーンズ Natural world, runner up: Green steps, Ly Hoang Long, Vietnam.

Natural world, runner up: Green steps, Ly Hoang Long, Vietnam.

Ly Hoang Longさん(ベトナム)の『Green Steps(緑の階段)』は、「自然の世界」部門次点を受賞した。稲作用の棚田は大量の水を必要とするし、水田から発生するメタンガスは環境に悪影響を与える。世界中の水田から発生するメタンガスの量は、年間5千万トンから1億トンにのぼるという。

9月17日から10月11日までの約1ヶ月間、ロンドンで『Environmental Photographer of the Year (今年の環境写真家)』展示会が開催される。主催は、水と環境問題に取り組む英国の環境団体、CIWEM。展示会場には、世界中から寄せられた1400点以上の写真から選ばれた約70点が展示される。

選考委員会には、2006年度にAnsel Adams賞を受賞したGary BraaschAnthony EpesRonnie Israelなど、著名な環境写真家がそろっている。

展示会場まで行けない人は、Guardianのウェブサイト上で、15枚の入賞写真を見ることができるのでどうぞ。

今年の展示会には、「気候変動」、「多様性に満ちた世界」、「クオリティ・オブ・ライフ」、「自然の世界」の計4部門が設けられたが、写真に収められている風景は、対象もシチュエーションもさまざまだ。一見、そこには共通のテーマがないようにも見えてしまいそうだが、私たちの身の回りには、自然の尊さや環境問題を意識させるような風景があふれている、ということを発見させてくれる。

greenz/グリーンズ Environmental photographer of the year and quality of life winner: Happy in her own world, Abhijit Nandi, India.
Environmental photographer of the year and quality of life winner: Happy in her own world, Abhijit Nandi, India.

Abhijit Nandiさん(インド)は、『Happy in her own world(彼女の世界における幸せ)』で「今年の環境写真家」賞と「クオリティ・オブ・ライフ」部門賞を受賞した。“私の写真に写っている女性は、長時間労働を終え、水田から家に帰るところです。村の女性が写真のモデルになるとは思ってもいなかったようで、私が写真を撮らせてください、とお願いしたら、彼女は笑い出したんです。”

15枚の写真を見ていて、もう一点気づいたことがある。見る人の立場や視点によって、相反するメッセージを発する写真が多いということだ。たとえば、総合トップ賞である「今年の環境写真家」賞と「クオリティ・オブ・ライフ」部門賞を受賞した『Happy in her own world(彼女の世界における幸せ)』という作品。出展者であるAbhijit Nandiさんにとって、この写真は「母なる大地」というポジティブなメッセージを持っているそうだ。でも、この写真を、たとえば大都会で、自ら選んだ道で活躍している女性が見たら、彼女はどう感じるだろう。もしかしたら、与えられた役割を果たす喜びしか知らない選択のない人生なんて気の毒、と感じるのかもしれない。

環境問題には、いろんな社会問題が絡みあっていることが多い。だから、異なる立場や視点を理解しあった上で解決法を探すことが大切だと思う。この写真展は、これまで見えなかった環境問題の側面を発見するきっかけも与えてくれそうだ。

::Tree Hugger(翻訳:greenz)