「 欲しいモノ」を「欲しい時」に「欲しい場所」で買える――消費者にとってこれは素晴らしい。しかし、この物流プロセスを支えるためには、たくさんの二酸化炭素(CO2)が排出されていることは知っているだろうか? 驚くなかれ、日本全体のCO2排出量のうちおよそ20%が輸送部門からなのだ。
この問題をもう少し何とかしようと財団法人・運輸低公害車普及機構(LEVO)が来月から日本でスタートするのが「エコドライブ総合診断」。この事業では、対象となる車両に計測機器を取り付けて、その車両の速度、エンジン回転数、走行距離、給油量などのデータを収集。これに加えてヒアリングにより、車両やタイヤの管理状態、ムダな積載物の有無などを調べ、どこが悪くてどうすれば良いのかを分析し、それぞれの運送業者に最適な燃費改善方法を提案するというもの。運送業者にとって燃料費の削減はダイレクトに経営改善につながるから、その効果はまさに一石二鳥というわけだ。
今年度は試行期間ということで、診断の対象となるのは、LEVOの「エコドライブ管理システム」(EMS)普及事業に参加し、なおかつLEVOの低公害車リースを利用し、さらに事業所を関東近郊に置く運送業者。診断費用は実費で済むという。
さて、ここで問題。輸送部門全体のCO2排出量のうち自家用車が占める割合は?
答えは、「およそ半分」!!
実は営業用貨物車と自家用貨物車を足した数字よりもはるかに大きいのが、自家用車から出るCO2だったのだ。というわけで、私たちは明日から自転車にでも乗りますか。