今回の一枚
こんにちは。イラストレーターの山口ヨウヘイです。
前回に引き続き、北海道での突撃レポをお届けします!
今回、人に地球にとても優しい天然顔料があると聞いて訪れたのは、札幌市にあるデザイン会社「amica」。amicaはファッションカラーコーディネートから、一般住宅や病院などの色彩設計を行っている会社で、主に自然色を生かした壁色の提案を行っている。
事務所に入るとまず目に飛び込んできたのは海外から取り寄せたという、壁材として使えわれる 天然の顔料のサンプル。全部で100種類以上もあるというだから驚きだ。
透明の容器に入った色とりどりのサンプルには、小金虫色に輝く宝石のようなものや、「サハラ砂漠」と名前が付いたものなど、あまり聞いたことのないような奇麗な色ばかり。まさに「生きた自然の色」!人や環境に害のないこの顔料は、人の身体だけではなく心まで健康にしてくるようなそんな空間を創り出してくれそうだ。
amicaでは天然顔料に、本来ゴミとなって廃棄されてしまうホタテの貝殻の、微粒子粉末(ホタテ貝殻セラミックス)を混ぜ合わせている。ホタテの貝殻にはとても強力な天然の除菌効果があり、それを顔料に混ぜ合わせることで、化学物質による空気汚染が発症原因と言われているシックハウス症候群対策にも取り組んでいる。さらに顔料以外にも、ホタテ貝を利用した壁紙、スリッパ、インソールの販売も行っているという。
ペンキのように、すでに出来上がった壁材が主流となった近年では、土壁や漆喰などの塗り壁が減少し、昔ならではの技術者(左官職人)も減ってきているため、こういった天然顔料を好まない業者やクライアントも多いという。しかし、amica代表の田中さんは”人々の地球環境への意識が問われている今だからこそ、天然顔料を広めていきたい”と語る。
便利でお手軽な時代の流れに乗ることはサスティナブルな未来を作りあげていく上では、決していいことだとは言えない。これらのさまざまな取り組みは、僕らの未来をも明るい色にしてくれるはず。