戦争の残した傷跡は、たとえ何十年経っても消えない……。そのことを改めて感じさせられる映画が公開中だ。映画「花はどこへいった」は、監督である坂田雅子さんの夫であるフォト・ジャーナリストのグレッグ・デイビスさんの死をきっかけに撮られたドキュメンタリー作品。
過去に米軍兵士として、ベトナムの戦場で浴びた枯葉剤が原因が夫の死に関係あるのではと友人から示唆された坂田さんは、夫の追悼と、枯葉剤への疑問を胸にベトナムへ向かう。戦後30年以上を迎える今もなお、枯葉剤による影響に苦しみ続けている現地で彼女が感じたこととは……?
この映画は、ただ単に悲しい現実を映しただけではない。映し出された映像からは家族愛、そして平和への願いが心に染みいってくる。加藤登紀子さんもこの映画を「ぜひ観てほしい」とブログ動画の中で語っている。加藤さんは実際にベトナムに訪れ、枯葉剤の影響により生まれた結合双生児の一人である「ドクちゃん」にも会っている。
映画のフライヤーには、報道写真家の石川文洋さんのこんなコメントが書かれている。
ベトナム戦争中、アメリカ軍の散布した枯葉剤によって現在でも多くのベトナム人が苦しんでいます。坂田雅子さんは今、生まれている新しい命にも障害が生じていることを強く訴えています。この作品で一人でも多くの人に戦争の悲劇を知って欲しいと願っています。
この映画は、7/4(金)まで岩波ホール(東京)にて3週間限定特別上映している。あなたはこの映画から何を思うだろうか。
花はどこへいった
第20回東京国際女性映画祭参加作品
期間:7月4日(金)まで
上映時間:月〜土 11:30/14:00/16:30/18:50
日 11:30/14:00/16:30/※
※日曜18:50より英語版を上映
場所:岩波ホール