かつては美しい湾だった東京湾をもう一度取り戻そうという試みが始まった。しかも、カキやナマコなどの魚介類をつかって!
かつて「江戸前寿司」文化を支えた東京湾で採れる豊富な魚介類も、今は昔、2004年の漁獲量は1960年の約1/9にまで減ってしまった。その原因は言うまでもなく、関東地方の近代化だ。東京湾の水質自体は、かつてのピークを過ぎ、やや改善されてきているようそうだが、豊かな生態系が戻るには、まだまだ遠いというが現状。
しかし、そんな東京湾の水質を改善しようというプロジェクトがある。東京都港湾局がお台場海浜公園でおこなっている「お台場海浜公園におけるカキの水質浄化実験」である。(もうすこしキャッチーな名前のほうが良いのに……)
以下プレスリリースから引用
海に流しているのですから、その栄養分を摂取する生物を私たちの手で増やす努力をし、海域浄化の本来の姿である「自然浄化」へと誘導することが今回の取り組みの目的です。カキは、海中の植物プランクトン等を摂取し、海水を浄化します。1個のカキが1日にろ過する海水は約400リットルと言われています。カキ以外にも、ナマコなど底生生物による有機物の摂取やアマモやアオサといった水生植物による光合成の促進、微生物による分解作用など、生態系や食物連鎖を考慮した物質循環の観点を取り入れています。多様な生物、植物による水質浄化の効果が発揮されることを期待するのと同時に、生態系や自然ピラミッドのバランスを維持し、持続可能なシステムを構築することを目標としています。
このような貝類をつかった水質改善プロジェクトは全国に多数あり、興味深い。東京湾ではアサリをつかって東京湾を再生しようとする民間のプロジェクト「東京湾アサリ再生プロジェクト」や、国立環境研究所による、福島県松川浦でのプロジェクト、大阪のNPO大阪・水かいどう808による「大阪ジョウカ物語」など、全国で行われている。
あなたも、水質浄化プロジェクトに参加してみる?