自ら“体感”してみないと、世の中の課題は解決できない。廃棄されるはずだったゴミと共に暮らすプロジェクト「Trash Me」

エコバッグやマイタンブラーの持参といった、環境に負荷をかけない「エコ」を意識した暮らしは、以前にも増して浸透してきたと思います。

それでも、生活をしていればどうしても出てしまうのが、生ものやプラスチック、缶やビンなどの一般廃棄物。わたしたちは、日々の生活においてどれだけのゴミを捨て、環境に負担をかけてきたのでしょうか。

環境省の2014年の調査によると、日本人が1日に排出するゴミの量は、947グラム。一方、アメリカではこの数字が約2,000グラムにまで跳ね上がってしまうのだとか(2013年米国環境保護局による)。

とはいえ、数字上ではなんとなく理解できたゴミの排出量も、イメージするとなると、なかなか難しいという人も少なくないと思います。そんな、これまで見えてこなかった、ゴミの排出量を可視化したプロジェクトが、アメリカで産声をあげました。
 
intern02ゴミの排出量を可視化したプロジェクト 「Trash Me」

その名も「Trash Me(ゴミ箱になった私)」。標準的なアメリカ人の生活を1ヶ月のあいだ体験し、その中で出たゴミを廃棄するのではなく、全てを身体にまとっていくといったプロジェクトです。

発起人は、以前にもgreenz.jpで紹介した、食材の寄付を促す「Food Waste Fiascos」という呼びかけを行った、Rob Greenfield(以下、ロブさん)。

普段の生活では、ゴミゼロの暮らしを心がけているロブさんですが、プロジェクト期間中は、テイクアウトしたコーヒーを飲み、ピザをデリバリーし、スーパーでは買い物袋をしっかりと受け取ったそう。そして、毎朝廃棄されるはずだったゴミ袋を自分の身体にぶら下げていきました。
 
intern03「Trash Me」 を立ち上げたロブさん

日を増すごとにロブさんの身体は、ゴミ袋で覆われていきます。

1日目には4.5ポンドだったゴミも、1週間後には30ポンドに増え、そして最終日には、その重さがなんと140ポンド近くにまで増えました。

140ポンドをキロに換算すると、約65キロ。自身の体重と同じくらいの重さのゴミをまとい、町中を歩くその姿は、まるでSF映画に出てくる戦闘ロボットのようです。
 
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プロジェクト開始後、8日目の状態。まるで戦闘ロボットのよう

毎日、膨大な数のゴミが排出されているにも関わらず、多くの人がそのことに無関心であることに危機感を覚えたロブさんの活動は、現代アメリカの消費社会を映し出す、歩く広告塔として、まちの人の記憶に残ったはず。

一度捨てたゴミがその後どうなるかなんて、考える人はほとんどいないと思います。自分たちが毎日どれだけ多くのゴミを捨て、環境に負荷をかけているのかということを改めて認識してほしいと思い、始めました。

一人ひとりが一つひとつの行動に責任を持てば、大きな変化につながると考えています。

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ゴミを担ぎ、町中を歩くロブさん

以前に紹介した「Food Waste Fiascos」しかり、ロブさんのプロジェクトに共通している点は、自身が実際に“体験”し、それをしっかりとした形で“発信”することにあります。

廃棄する予定だったゴミを1ヶ所にまとめ、それを自撮りして自身のSNS上で発信するのではなく、自らゴミを担ぐことに決めた理由について、

これまでも、ゴミ問題に関する衝撃的な事実を聞き、勉強することはありました。しかし、単純に頭で理解するだけでは不十分で、実際に体験して学ぶことが大事だったのです。

と話すロブさん。
 
intern07ゴミをまとい、駅の改札を通り抜けるロブさん

ゴミを背負い、駅の改札を通り抜けたり、スーパーで買い物をしたり。悪戦苦闘しながらもゴミとともに暮らすロブさんの様子を収めたユーモア溢れる映像は、国内外問わず、環境に関心がある人もそうでない人にも、自分たちの暮らしを見直すきっかけを与えてくれることでしょう。

私たちの暮らしぶりを露骨に映し出す鏡でもある一般廃棄物。まずは、日々の消費活動を少しだけ見直してみるところから始めてみませんか?

[via 環境省, treehugger, Kickstarter, Huffingtonpost, ecowatch]

(Text: 竹内謙二)