ISSUE まちづくり

2 years ago - 2014.10.04

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お金も物も、ほとんどない。でも、幸せに長生きする人がいっぱいいる。不思議の島、イカリア島に幸せのヒントを学ぶ映画『ハッピー・リトル・アイランド』

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あなたはいま、幸せに暮らしていますか?
いま住んでいるところに、これからも住み続けたいですか?

今回ご紹介する映画『ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かなギリシャの島で―』の舞台は、ギリシャ。長い歴史と文化を持ち、自然に恵まれたこの国は、2010年頃から経済的な機器に直面し、3人に1人が貧しい暮らしをし、若者の半分が職を失ったといわれています。

ハッピー・リトル・アイランドはそんな状況のなか、大都市であるアテネから小さな島に移住する元ソフトウェア開発者の若者、トドリスに密着したドキュメンタリーです。

小さな島で自給自足をはじめた都会育ちの若者が見つけたものは…

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移住者の仲間と力を合わせて畑を開墾するトドリス

映画はアテネの街からはじまります。経済力を失い、思いやりの心も失ってしまった街は治安も悪化。残された蓄えを頼りに耐え忍ぶ人たちも少なくない中、トドリスは移住を決意します。

行き先は、エーゲ海に浮かぶイカリア島。石垣島よりも少し大きいくらいの面積で、人が少なく自然が豊かな島です。イカリア島という名称は、ギリシャ神話に登場するイカロスが近くの海に転落したという逸話からきているそうです。

そんな島にトドリスは土地とボロボロの家を買い、彼女と暮らすべく自給自足の生活をスタートさせます。
 

イカリア島は不思議な島でした。貧しく、過酷な暮らしを強いられているにもかかわらず、元気で長生きする人たちがたくさんいるのです。

アテネでは貧しさは不幸でしかないのに、イカリア島は貧しくても幸せに満ちている。それは、どうしてなのでしょう。

その答えは、映画に出てくるイカリア島のチャーミングなお年寄りたちの生活や言葉にあります。トドリスと彼女は、自ら困難に打ち当たったり、地元の人たちと触れ合ったりするうちに、たくましく生きていくための心構えや技を学んでいきます。
 
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トドリスの彼女、アナは積極的に現地の人たちと交流を深めていく

ギリシャほどの経済危機は未だ起きていませんが、日本の社会も都市部と農村部の格差拡大、少子高齢化の進行、非正規雇用の増加など閉塞的な状況が続いています。

そんな中で増えているのが、UターンやIターンなどで地方へ移住し、これまでの経済のかたちにとらわれない暮らしを始めようとする人たち。greenz.jpでもそうした事例をたくさん紹介していますが、その多くが地方にそれまでになかったカルチャーをつくり出しています。

この映画で紹介されるイカリア島のケースが面白いのは、それとは逆に、移住者たちが島で受け継がれている暮らしを通して、都市部にはない持続可能で幸せな社会のあり方を「再発見」するところ。

エーゲ海に浮かぶ小さな島での厳しい暮らしがもたらした、神々しいまでの幸せのヒントの数々は、これからの社会をサヴァイヴしてくための気づきを与えてくれます。
 
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果樹園を営む老夫婦。イカリア島の人たちは家族や友人とのつながりを大切にしています

ニコス・ダンヤダス監督は、自らイカリア島に行くことで、人生の考え方が変わったと語ります。

イカリア島は私にとって、夢の世界です。映画の現代、”Little Land”というタイトルを付けてくれた詩人、R.L.スティーブンソンが書いているように。


小さな土地(The Little Land)
私は一人、家で座っている。座り飽きたら目を閉じて、大空を航海するんだ。楽しく遊べるところへ行くために。小さな人々が住むお伽話の世界へ。そこはクローバーが木々で、水たまりが海で、葉っぱが船なんだ。さあ、小さな世界へ旅に出よう。

ハッピー・リトル・アイランドは、渋谷アップリンク他で、10月11日(土)よりロードショー公開されます。ぜひ劇場で、エーゲ海の美しい風景とともに、人生を楽しむコツを探してみてください。
 

『ハッピー・リトル・アイランド』を観にいってみよう!
『ハッピー・リトル・アイランド』

writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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