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あなたのおうちがポップアップ・レストランに!家庭料理の味でつながるSNS「Feastly」[おすそわけSNS]

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全4回のシリーズ「おすそわけSNS」は、ソーシャルメディアが食の情報や、食事そのものを人々とシェアする媒体になることで、「わたしたちの食生活に、どんな変化が起きるの?」について探っていくインターン鈴木くんのマイ企画です。

料理が好きで、腕に自信あり!という方は、もっと多くの人々に食べてもらいたい”自慢の一品”があるかもしれません。今回ご紹介する「Feastly」は、そんなあなたにおすすめしたいソーシャル・ネットワーキング・サービスです。

「Feastly」は、2011年にNoah Karesh(以下、ノアさん)とDanny Harris(以下、ダニーさん)の2人がオープンした、料理好きと食いしん坊をつなげるSNS。といっても、その活動の舞台は、ネットワーク上ではありません。なんと、シェフとしてアカウント登録をしたユーザーの自宅を、一日限りのポップアップ・レストランにしてしまうのです!

“feast”には、「宴」「ごちそうする」「ごちそうになる」という意味がありますが、おいしい食事を楽しみながらのパーティーに、読者のみなさんも興味津々なのでは?それでは、「Feastly」の仕組みを、紹介しましょう。

招待もメニュー発表も、さらに会費の支払いまで、SNSにおまかせ。

ウェブサイトに、Feaster(食べる人)とCook(シェフ)の、どちらかのアカウントで無料登録をすることから始まります。サインアップが完了すると、食事会の開催や、参加申込ができるようになります。

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シェフのプロフィールページ。過去に開催した食事会の情報や、自己紹介が掲載されます。

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シェフの過去の食事会に、参加した人々からのコメントが。参加する時の参考になりますね。

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食事会は、このようにブラウズして、見つけ出します。2013年6月現在は、全米3ヶ所で月に2回ぐらいのペースで、開催されています。

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食事会を開催する時は、特設ページを作り、予定しているメニューや、会場、参加費用などを掲載します。

シェフは、食事会に参加する人々から、自分で設定した会費をもらいます。会費は、料理の内容によってまちまちですが、$5から$40ぐらい(約500円〜4000円)が平均です。材料費だけを請求するシェフもいれば、おこづかい稼ぎに使う例も。支払いは、申し込むときにオンライン上で決済出来てしまうので、簡単で安心です。

食事以上に印象に残る、テーブルでの新たな出会い

食事会の当日には、シェフの自宅に10人前後の人々が集い、テーブルを囲みます。とはいえ、見ず知らずの人の家に行くのは少しドキドキしますよね。ワシントンD.C.で開かれた、食事会に参加したカールさんは、

見知らぬ人の家に行くことに、すごく戸惑いました。でも、あたたかく歓迎してくれたので、心配は吹き飛びましたね。ラムベースのカクテルと、くるみのダンプリングで始まる、キューバ料理のディナーは、とても美味しかったです。他の参加者との会話は、まるで家族との時間のようでした。

と楽しんだ様子。他の参加者も、口をそろえて「最初は、不安や戸惑いがあった」と話しますが、一度参加すると多くの人々が「Feastly」のファンになってしまいます。

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一方、サンフランシスコで、ポットパイをふるまったベンジャミンさんも、自宅でのおもてなしなど慣れない作業に四苦八苦したそうですが、シェフデビューできて充実感でいっぱい。「参加者が外食するよりも、みんなで安く美味しい食事ができる」という点を評価しているようです。

家庭料理の達人たちにも、機会を与えたい!

ノアさんとダニーさんが「Feastly」を立ち上げた背景には、ダニーさんの母への思いがありました。

僕の母は、家庭料理が専門の主婦だけど、その腕をふるう機会が少なく残念がっていました。でも、レストランを開くには多額のお金がかかるので、非常に高い壁があります。その壁を少しでも低くするために、「Feastly」を考えたんです。

一方、旅行が大好きなノアさんは、「旅先でも、家庭的な食事を楽しむ機会が増えればいいのに」という通じる思いがありました。2人は悩んだ結果、「SNSのウェブサイトを立ち上げて、シェフの自宅で食事会を開催する」というアイデアにまとめ、2011年11月に「Feastly」をオープン。最初の食事会は、ダニーさんの母がシェフを務めました。

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左がノアさん、右がダニーさん

いかに人々をつなげる場を作っていけるか

最近では、家庭で余った料理をおすそわけする「Share Your Meal」や、家庭の味を地域の人々に届ける「Casserole」など、食事をシェアするSNSが増えています。様々なアプローチが増えるなかで、「Feastly」は料理と一緒に、シェフの自宅という”空間”をシェアする点がユニークです。

私たちは、「テーブルの上にどのような料理が並ぶのか」ということよりも、むしろ、「いかに人々をつなげる場を作っていけるか」を大事にしたいんです。

と、ダニーさん。彼らにとって、SNSは出会いのきっかけをつくる場所。むしろ「ネットワークから飛び出して、直接出会いに行こうよ!」という強い思いが、伝わってきますね。

残念ながら「Feastly」は、現在ワシントンD.C.とニューヨーク、サンフランシスコの3都市のみですが、少しずつ世界に展開していくことが目標だそう。ノアさんとダニーさんが提案する新しい食事会は、ご近所さんや、見ず知らずの人々とのコミュニティづくりに、一役買ってくれるかもしれません。

(Text: 鈴木康太)
[via Feastly, Shareable, In the Capital]