クリエイティブなプロジェクトの実現を次々と後押ししているクラウドファンディングの雄「Kickstarter(キックスターター)」や日本発マイクロ・パトロン・プラットフォームの先駆け的存在「CAMPFIRE」など、ウェブサイト上で一般から資金を募る「クラウドファンディング」は、資金調達手段のひとつとして広まり、多様化しつつありますね。
そこで、こちらでは、公共プロジェクトに特化したクラウドファンディングサービス「Spacehive」をご紹介しましょう。
http://spacehive.com/
「Spacehive」は、よりよいコミュニティづくりを推進する英ロンドン発のオンラインプラットフォーム。公園やコミュニティセンターなど、公共スペースにまつわるプロジェクトのみを対象とする世界初の資金調達プラットフォームであり、これらに関するアイデアや情報をユーザ間で共有しあうコミュニティプラットフォームでもあります。
資金を求めるプロジェクトは、まず「Spacehive」でプロジェクト専用ページを作成。プロジェクトの概要やスケジュール、資金調達の目標額、金額の内訳などを明らかにします。
「Spacehive」では、各プロジェクトのプロセスをコンセプト(Concept)・設計(Design)・資金調達(Fund)の3段階に分け、資金調達プロセスに至っていると承認されたプロジェクトのみ、資金調達をスタートできる仕組み。
また、資金調達のルールとして、募集期間中に目標額を達成すれば資金が得られる一方、未達成ならば金銭を受け取ることは一切できず、目標額を超える金額が集まった場合は、目標額を上限に資金を得られることになっています。
一般ユーザは、他のクラウドファンディングサービスの仕組みと同様、「Spacehive」のウェブページで応援したいプロジェクトを選び、オンライン決済を通じて資金提供できます。
また企業からの資金提供を積極的に受け付けているというのも「Spacehive」の特徴で、地方自治体の厳しい財政状況を補完する手段として、民間セクターからの経済的サポートを促しています。
「Spacehive」では、資金調達プロセスに至っていない、現在進行中のプロジェクトについても公開。一般ユーザは、気になるプロジェクトの概要や進捗状況を早い段階から知り、プロジェクトに対する意見やコメントを共有することができます。これによって、各プロジェクトへの一般住民からの関心を喚起し、より多くの声をプロジェクトに反映させることができるというわけですね。
ローカルをテーマとするクラウドファンディングとしては、小規模事業者と地元の投資家をつなぐ「Cofolio」や地域に根ざした食料システムを推進する事業者や農家を応援する「Credibles」などもありますが、地域住民にとって個別のビジネスよりも身近な存在である”公共スペース”に着目している点が、「Spacehive」の大きな特徴。
コミュニティに属する一人ひとりが主体となり、よりよいコミュニティをつくるための知恵とお金を結集させるプラットフォームとして、大きな役割を担ってくれそうです。
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