greenz.jpでは以前、高層ビルを農場化するというVertical Farm(垂直農場)についてご紹介しましたが、都市部における自給自足の課題は、食料のみならず、エネルギーにもいえること。米シカゴでは、ビルの壁面で太陽光発電しようという試みがスタートしました。
シカゴにある全米一の超高層ビル「ウィリス・タワー(Willis Tower)」では、試験的に、56階の南側の窓に、太陽光発電するガラスが設置されました。今後、このビルの窓ガラスの交換を進めていけば、ビル全体の発電容量は2メガワットとなる見込み。これは、太陽光パネル10エーカー(約4.05ヘクタール)分の発電量に相当するそうです。
このガラスには、2層のガラスに単結晶フェライトのシリコン太陽電池を挿入するという、最新技術を導入。内部のプリズムが光を反射させることによって、外から入ってくる日光をガラス層の中にある太陽光パネルに当てて発電させる一方、これをビルの中に拡散させ、室内への直射日光をカットする仕組みとなっています。
このガラスを開発したメーカーによると、この“垂直型ソーラー発電”向けの太陽電池は、屋根に設置する従来の太陽光パネルと同等のエネルギーを生産できるとか。高層ビルにとっては、これまで使われてこなかった壁面をエネルギー発電に有効活用できるのはもちろん、直射日光を制御することによってビルのエネルギー効率化にも役立つという、一石二鳥のメリットがあります。都市部におけるエネルギーの自給自足につながる可能性を秘めた、画期的なアイデアですね。
[via EcoFriend]
太陽光パネルを水面に浮かべる、というアイデアもあります!