飲酒運転を止めるための広告は世界中でたくさんつくられており、
これまでgreenzでもいくつか紹介してきました。
表現の手法はいろいろあるのですが、
「死ぬぞ」とか「人生台無しになるぞ」
といった、重いメッセージのものがほとんどです。
ところが、今日ご紹介する
南アフリカで実施されている広告キャンペーン
「Drive Dry(シラフで運転しよう)」は、
ちょっとアプローチが違います。
まずはCMを見てください。
コワいお兄さんたちが
「こんな人に会いたいな」とか
「傷つけないから怖がらないで」みたいな、
甘い言葉で見る人を誘います。
画面が引くと、そこはゴロツキが集まる
留置場だということが分かります。
コピーがまた、不気味です。
「こいつらは、あんたにイイ思いをさせたいと思ってるんだ。」
そして続きます。
「飲んだら、運転するな」
と。
なんでも南アフリカでは、刑務所や留置所で
強姦が行われているというのは周知の事実だそうで、
「飲酒運転で逮捕されて留置所に行くと、
どんな目にあうか分からないですよ」と脅して、
飲酒運転をたしなめているんですね。
なんとも強烈な表現ですが、
これをつくったのはNPOやNGOではありません。
なんと、南アフリカの大手飲料メーカーが
CSR活動として行っているキャンペーンなのです。
日本ではCSRというとお上品なものがほとんどなので、
こんな表現は考えられないですよね。
でも、社会貢献活動というのは本当は社会に対して
いい顔をするためのものではなく、
社会的な問題に真摯に取り組むべきものだと思うので、
効果を求めて表現を尖らせることも、
ひとつの正しいやりかたなのかも知れません。