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“助けが必要な人がすぐそこに” 付近で心停止に陥った人の情報を伝え、救命活動をサポートするiPhoneアプリ

greenz/グリーンズiphoneappfiredept

誰しも、いつ、どこで、自分の身に起こるかもしれない、心臓発作。一分一秒を争う生命の危機だからこそ、互いに助け合い、一人でも多くの人々の命を救うことが必要です。米国では、スマートフォンの位置情報を活用し、心停止に陥った人を付近の住民が救命するためのアプリケーションが開発されました。

米カリフォルニア州サンラモン(San Ramon)の防災地区「San Ramon Valley Fire Protection District」は、「FireDepartment」というiPhone対応アプリケーションをリリース。iPhoneの位置認識機能を通じて、現在地付近にいる心停止に陥った人の存在を知らせてくれます。

Fire Department App – PSA from Fire Department on Vimeo.

このアプリケーションでは、まず、ユーザ登録時に、「CPR(心肺蘇生法)に関するトレーニングを受けた経験があるか?」、「救命活動に参加するか?」が尋ねられます。これらに「Yes」と答えたユーザには、近辺で心停止となっている人が見つかると、救命要請のメッセージがリアルタイムで送信され、救急隊が到着するまでの間、応急措置を促す仕組みとなっています。また、このアプリケーションは、救命現場の近くにあるAED(自動体外式除細動器)の場所もナビゲートしてくれるので、緊迫した状況でも、あわてずに救命活動に当たることができます。詳しくは、以下のデモ動画でチェックしてください。

iPhone Demo from Fire Department on Vimeo.

米国では、毎年、30万人もの人々が、心停止で命を落としており、中でも、道で心停止になった人の生存率は8%未満と極めて低いのが現状。また、AEDは、医師などの専門家でない人でも応急措置ができる医療機器として、空港や商業施設、公共施設などに設置されているものの、いざというときにその設置場所がわからず、救命活動にうまく利用されていないという課題もあります。

一般的に、心停止に陥ると、残された時間は、10分程度。たった数分の違いが生死を分けてしまいます。一方で、米国では、救急要請の連絡を受けてから現場に救急隊が到着するまでの時間は、通常8分。この間に、救命措置を施すことができれば、救える命は多くあるはずなのです。

「FireDepartment」は、地域の住民が協力しあい、より多く生命を救うための画期的なツール。現在、サンラモンのみで運用されていますが、米国内はもちろん、日本でも、ぜひ活用したい事例です。また、心臓発作にとどまらず、その他の救命活動や、災害支援などでも、応用できる可能性があるでしょう。

[via Fast Company]

付近にあるAEDの場所をチェックしよう。