「CauseWorld」や「Extraordinaries」といったソーシャルアクションのための専用iPhoneアプリが続々と生まれ、「フェイスブック(Facebook)」や「foursquare」などのソーシャルネットワークサービスでも、これらのアクションと連動する仕掛けが増えています。このように、デジタルな世界からソーシャルアクションを促すのが最近のトレンドのようですが、この兆しが、ウェブブラウザでも現れはじめました。
グーグルが開発するウェブブラウザ「Google Chrome(グーグル・クローム)」は、そのスピードもさることながら、拡張機能をインストールし、自分に使いやすく機能アップできるカスタマイズ性も魅力のひとつですね。そこで、グーグルでは、この拡張機能をソーシャルアクションに活用する試みをはじめました。
Chrome向けの拡張機能「Chrome for a Cause」をリリース。2010年12月15日~19日の期間限定で、Chromeブラウザでユーザーが開いたタブの数に応じて、総額最大100万米ドルをグーグルから提携チャリティ団体に寄付するというキャンペーンを実施したのです。
「Chrome for a Cause」は無料でダウンロードでき、ワンクリックでGoogle Chromeにインストールできたら準備完了。このブラウザから開いたタブの数を自動で記録し、一日ごとに、その総数を報告してくれます。これらのタブは、タブの数10個あたり植樹1本、25個あたりワクチン1つといったように、寄付アクションに”変換”でき、ユーザは、提携チャリティ団体のうち、どの団体にどれだけの自分のタブの数を寄付するのかを選べる仕組みになっています。
この5日間で集まったタブの数は、なんと6,000万以上。グーグルは、環境保全に取り組む「The Nature Conservancy」に24万本分を超える植樹資金を提供するほか、発展途上国に井戸を建設する「charity: water」に11,640人分の清潔な水、医療援助活動に従事する「Doctors Without Borders(国境なき医師団)」に約10万7000人分のワクチン、教育支援団体「Room to Read」に14万冊以上の書籍、そして、貧困層に向けたシェルター建設を進める「Un Techo para mi País」に11,208平方フィート分のシェルターといったように、ユーザの指定タブ数に従って、それぞれのチャリティ団体に資金を割り振り、寄付するそうです。
クラウドコンピュータの普及に伴って、ウェブサイトの検索やブラウジングだけでなく、メールやドキュメント作成、スケジュール管理など、様々な場面でウェブブラウザは、いまや欠かせない存在に…。そんな身近なデジタルツールが、ソーシャルアクションの「入り口」になるというのは画期的ですね。このグーグルの取り組みは、期間限定ではありましたが、ウェブブラウザがソーシャルアクションに活用できる可能性を示す事例のひとつとなりそうです。
[via Mashable]
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