より少ない木でより多くの雇用を!インドネシアの文房具メーカー「magno」の挑戦

Magno's Stationaries: Copyright(c) Singgih S. Kartono, All rights reserved.

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これらの文房具グッズは、インドネシアの文房具メーカー「magno」のものだ。一般的に、文房具というと無機質な印象だが、これらの商品は、自然な木目と丸いフォルムにどこか温かさを感じさせる。
この素敵な文房具でインドネシアの小さな村を温かく支える「magno」の取り組みについてみてみよう。

「magno」は、プロダクトデザイナーのシンギー・S・カルトノ(Singgih Susilo Kartono)によりジャワ島の村・カンダンガン(Kandangan)で立ち上げられた。「スモール・サイズ・ファンクショナル・クラフト(Small Size Functional Craft)」をミッションとし、材料の木材の消費を最小限にしつつ、クラフト作業を通じて最大限の雇用を創出することを目指している。

カンダンガンで生まれ育ったカルトノは、大学進学を機に都市部での生活し始め、都市と地方の村の格差を実感する。急速に経済発展するインドネシアでは、都市部にヒト・モノ・カネが集中する一方、村は様々な資源が流出し、困窮していた。そこで、彼は、プロダクトデザインの経験を活かし、地元の人々の労働力を使って村の産物である木材を文房具に製品化することで、村を再生しようと考えた。

カルトノは、中長期的に雇用を創出し続けるためには「売れる」商品づくりが不可欠と考え、従来の文房具にはないユニークなデザインを作り出した。彼のデザインは、日本のみならずニューヨーク・ヨーロッパなど世界中で評価され、2008年には「グッドデザイン賞(Good Design Award)」を受賞している。また、工場の生産活動では、近代的な生産管理の手法を導入。製造工程を細かく設定し、作業を標準化することで、特殊な技能がない人でも生産活動に従事できるような仕組みとし、より多くの人々の雇用につなげている。また、仕様や品質基準をマニュアル化するなど品質管理にも力を入れ、品質に厳しい海外市場のニーズにも応えている。
では、以下の動画で、「magno」の工場の様子をどうぞ。

コミュニティ活性化の手段として雇用創出はもちろん有効だが、中長期にわたってこれを継続することはたやすいことではない。「magno」の取り組みにおいて特筆すべき点は、製品自体のデザイン性の追求のみならず、生産の効率化や品質管理までを考慮した製品設計を行うことで、売れるものを作り続ける仕組みを作り上げ、さらには、これを徹底的に実行している点だ。温かい中にも筋の通ったビジネスのカタチに、コミュニティ活性化の新しいヒントがあると思う。

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「magno」の文房具を買いにいく!

過去記事「品質保証期間10年!消費することの意味を問うファッションブランドHand-Me-Down」」を読む!

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