価格と薄さを競ってきたソーラーパネルに、インクジェット印刷できるソーラー電池がついに登場!これは、Konarka社が開発したPower Plastic(R)の話。
太陽電池は、有機太陽電池や無機太陽電池など実は形態はさまざま。前者は、炭素やプラスチック、油を原材料とする太陽電池のこと。後者は、シリコン性のものを指す。今回開発されたPower Plastic(R)は、有機太陽電池であり、シリコン電池と異なり、クリーンルームでの生産工程がいらない。そのため簡単に、しかも安価に製造できるというわけだ。
「無機太陽電池に比べて耐久性が劣るため、建築には向いていない」との声もあるようだが、有機太陽電池のもつ柔軟性や、さまざまな色での印刷が可能という点は大きな魅力だ。この特徴を生かすことで、テントや衣服に太陽電池の繊維に織り込むことも可能だという。
Air Products社との、窓ガラスに張れる透明で柔軟なソーラーパネルの開発など、Konarka社は民間企業との提携が多い企業。このことが開発のエンジンとなり、年内には利用可能になるという話も出てきている。近い将来、家庭用の安価なインクジェット・プリンターで自前の太陽電池を印刷できるようになるかもしれない。
しかし、気になる情報もある「宣伝のために、店頭に並ぶソフトドリンクのボトルにプラスチック製太陽電池を張り付ける」ということをKonarka社が示唆しているというのだ。石油からできるプラスチックに持続可能な再生エネルギーを発生させる太陽電池を貼り付けるってちがくないですか?
太陽電池の開発を進めるのは実にいいことだ。しかし、どういう未来に向けてやっていることなのかということを、Konarka社には今一度考えてほしいものである。