グリーンズが毎月第二木曜日に開催しているgreen drinks Tokyo(以下、gd Tokyo)。今回は年に一度のgreen drinks Japanサミットを行いました!
現在、日本では全国92ヵ所でgreen drinksが開かれています。この日は11名のオーガナイザーに集まってもらい、各地の取り組みについて紹介してもらいました。
まずは腹ごしらえ
フードデザイナーのモコメシさんに作っていただいたのは、ハムやチーズたっぷりのサンドイッチ。gd Tokyoではいつも「みんなでつくる、みんなで食べる」をテーマにした料理をお願いしているのですが、今回は「みんなでカットする」ということで、「切りましょうか?」「どのくらい食べる?」と、自然と会話が生まれていました。
green drinks Japanのはじまり
そしてgreenz.jpフクヘン・小野さんの司会でいよいよスタート。
green drinksはグリーンズのイベントだとよく思われているのですが、実は発祥はロンドンで、世界60カ国以上で開かれているグローバルなイベントです。最初に、greenz.jp発行人の鈴木菜央さんより、gd Tokyoのはじまりについて話してもらいました。
greenz.jp発行人の鈴木菜央さん
greenz.jpをはじめたとき、ネットで「green」がつくものを検索したんです。ヒットした2000件くらい全部ばーっと見て、そのなかに「green drinks」を見つけました。
東京でやっていた人に連絡をしたら、どうやら長野に引っ越してしまったらしく、じゃあ自分たちがやろう!ということで、2007年に恵比寿のEAT TOKYOではじめました。最初は15人くらいで、普通の飲み会みたいな感じでしたね。
それがだんだん盛り上がってきて、東京だけでなく日本全国に広めたい!ということで、2010年にgreen drinks Japanを立ち上げました。
(そのときの様子はこちら)
http://greendrinks.jp/
所変わればgreen drinksも変わる!
続いて、各地から集まっていただいたオーガナイザーの方々に、どんなgreen drinksを開催しているのか発表してもらいました。
green drinks 箱根
「住みたくなる観光地」を目指して、3年前からやっています。10〜20人の小さな集まりで、森の中を散歩してバーベキューをやったり、古民家でワークショップをやったり。今後は泊まれるコミュニティセンターをつくろうと思っています。ぜひ遊びにきてくださいね!
green drinks 飛騨
藁を使ったワークショップ
飛騨には飛騨を愛する熱い人がたくさんいるのですが、そういう人たちと交流を深める場がない、ということでgreen drinks を始めました。地域の人や居住者を結びつけるプラットフォームの場になるといいなと思っています。
冬は本当に寒いので、助け合わないと生きていけない町。だから優しい人が多いし、親しみやすいですね。
green drinks 経堂
6月5日「環境の日」にエコ&サステナブルな飲み会としてスタートしました。広い視野、広い気持ち、広い話題で、エコをテーマにしたgreen drinkにしたいと考えています。
green drinks 中之条
中之条は群馬県北西部の小さな町です。green drinks では里山へ行き野菜のピザをつくったり、バイオ発電所を見学してエネルギーについて考えたりしています。今年は町中がアートであふれるビエンナーレが行われるので、関連したイベントを行いたいと考えています。
green drinks 大丸有
丸の内でエネルギーに特化して考える会です。エネルギーは「つくる」ことを考えてしまいがちですが、「使う」側から考えています。green drinks とは、つながりをつくり、思いがけないアイデアと出会える場ですね。
green drinks 房総
房総では「東京でできないこと」をやっています。ロケットストーブをつくったり、屠殺をやったり、マイナースポーツの運動会、餅つき、納豆つくり、味噌つくりなど…。今はお休み中ですが、春くらいから再開したいですね。
green drinks 西条
西条は広島にある酒蔵の町で、面白い頑固のおじいちゃんがたくさんいます。でもつながりがないので、地域の人をゲストに昨年から始めました。酒蔵を借りてやっているので、飲み物は日本酒と水だけ!みんなベロベロになりながら、ダンボールで燻製おつまみをつくったりしています。今日はこれからのヒントを探しにきました!
green drinks 渋谷
渋谷はグリーンなイメージがないので、先月登録しました。まだ一度も開催していませんが、他のみなさんの話を参考に、いろんなことを試していきたいと思います。
第1回は4月19日にヒカリエで、「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2013」のイベントの中で行います。テーマは「働き方について語ろう!」。ぜひ来てください!
green drinks 静岡
2010年からやっています。場所柄、「お茶のイベントですか?」とよく言われます(笑)。今日はお土産に由比缶詰を持ってきました。これは、桜えびで有名な由比という町の缶詰工場が30年前につくったオリジナル缶詰です。
地域ブランドテーマにやったときに知ったんですけど、それまで隣町のことなのに全然知らなくて。green drinksは知らないことを知ることのできる機会になっています。
green drinks 金谷
金谷は千葉の木更津と館山の間にある漁港町です。前回のgreen drinks Japanサミットに参加したのがきっかけで昨年から始めました。
知名度の低い町なので、まずは町を知ってもらおうと、町の魚料理を紹介したり、次回は桜の苗植えをしたり、今年はコミュニケーションの場にしたいと思っています。
green drinks 宇都宮
宇都宮は餃子、ジャズ、妖精の町と言われていますが、自分たちで「宇都宮の暮らしを楽しむ」をテーマに行なっています。1回目はおすすめのお店などをシェアして、おすすめマップをつくりました。次回はお花見をやります!
green drinks 横浜
地恵地楽(ちけい・ちらく)という言葉を知っていますか?地産地消と似ていて、その地のものを楽しみながらいただく、という意味です。green drinks 横浜では横浜の恵みを味わっていて、横浜で採れた食材を料理人や生産者と一緒に屋形船でナイトクルージングしたときは、予想以上の120名もの方が集まりました!次回は森をピクニックしようと思っています。
green drinks松戸
飛騨ツアーにて
松戸はチェーン店と風俗店しかないんです。何にもないなら作ろう!ということで、「自給自足できる街」をテーマに2011年5月から毎月1回行なっています。
最初はゲストを呼んでトークイベントをやっていましたが、話を聞いているだけで何も作ってない!と気づき、2012年からは米やソーラークッカーを作ったり、あとクラブがないからクラブを作って参加者にDJになってもらったり、「自給自足」を拡大解釈しながらやっています。
それと「松栄えれば柏笑う」という言葉があると知り、隣町のgd柏とコラボして、gd松柏(しょうはく)も時々やっています。1回目は千葉の7ヵ所のgdオーガナイザーを集めて金谷でやりました。松戸は条例で焚き火が禁止されているので、海のある金谷でキャンプファイヤーをやったり、地元を自慢し合ったりしました。
gd飛騨のオーガナイザーが松戸出身ということもあって、今年2月には飛騨でもやりました。飛騨はかなり自給自足な町で、負けてる!と思いつつ勉強にもなりました。こうやって気持ちがとなり町でも栄え合うといいなと思います。
自分が一番の参加者になれるイベントにする
各チームの発表を終えた後は、これからgreen drinksを始めようと思っている人や、最近ちょっと行き詰まっている…という人を対象に、green drinks相談会を行いました。
アンサーはgd松戸のオーガナイザーである殿塚さん!
僕は房総に住んでいましたが、3.11で地元の松戸がホットスポットになって、地元には家族や友達もいるし戻りたいって思っちゃったんです。それで松戸に帰って、gd松戸を始めました。
はじめるときに思ったのは、自分が一番の参加者になれるイベントにしよう、ということ。第1回は震災後たったので、greenz.jp編集長のYOSHさんをゲストに呼んでエネルギーについて話してもらいました。それは自分が聞きたかったからで、たとえ参加者が0人でも俺はいるぞ!という気持ちでした。だから何のためにgdをやりたいかは重要だと思います。
僕の場合は、本当は田舎暮らしをしたいと思っていて、それって自給自足できて、顔の見えるつながりがある生活だなと思って、それを学べるイベントにようと「自給自足」がテーマになりました。
でも、テーマにしばられないようにしています。例えば選挙をテーマにやったときは、選挙も自分で選ぶっていう主体的なあり方とか、自分ごととして捉えることとか、そういうのも「自給自足」だと考えています。
田植えの様子
大変なことは?という質問に対しては
大変にならないようにしているのと、凝らないようにしています。できないことを認めて、時間通りにならなくても「ま、しょうがない」って。
仕事にしちゃうと成果を求めなきゃいけないけど、僕は「飲み会の幹事」っていう感覚でやっています。だから利益はもらわないし、参加者に手伝ってもらうこともあります。自分の興味のあるテーマなので毎回「なるほど〜!」ってなりますね。
あと仲間を見つけること。イベントは一人じゃできないけど、一緒にやってくれる人がいれば「次どうするの?」って聞かれるし、知り合いで縁がつながっていくことも、たくさんあります。
他にも開催する日時は?料金は?告知は?など様々な質問が出ました。
green drinksは世界の入り口
最後に、グリーンズメンバーから一言ずつ。
サミットは東京でやる必要はないと思っていて、今後は半年に一度とか、いろんな場所でやって定期的に集まれたらいいなと思います。(フクヘン 小野さん)
この多様性は本当に豊かだなーと思います。世界では500箇所で開催されていて、そのうち日本が90箇所ってすごいことだし、もっと世界に発信していきたいですね。(編集長 YOSHさん)
green drinks Japanを立ち上げたときはgdを知っている人はほとんどいなかったのが、3年で今や全国に広がっていると思うと、まさにムーブメントだなと思います。いいものは時間をかけて大きくなっていくことを実感しました。(発行人 菜央さん)
gdの開催日程を見て旅行する人もいるらしく、新しい世界の入り口になっているgreen drinks。ぜひ、気になる町のgreen drinksを訪れてみませんか?
次回のgd Tokyoは4月11日(木)です!https://greenz.jp/2013/03/27/gdtokyo_201304/