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ここで買うすべてのものは、世界中の笑顔になる。社会貢献商品のセレクトショップ「Joy’nt Factory」誕生

こちらの記事はNPOのソーシャルメディア活用を支援するプロボノユニット「テントセン」によって寄稿されています。

Joy'nt Factory

最近では、フェアトレード商品をはじめとした、「買うことで社会貢献できる商品」が多くなってきています。greenz.jpでも「チョコレボ」やフェアトレードのコーヒーを扱う「Slow Coffee」などを紹介してきましたが、そのような商品を扱う新しいセレクトショップが今年9月、調布・緑が丘にオープンしました。

今回はそのお店「Joy’nt Factory」を訪れ、お話を聞いてきました。

社会貢献の専門店は、気軽な雑貨屋さん

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さっそくお店に入ると、たくさんの綺麗な雑貨や洋服が並んでいるのが目に入ります。「Joy’nt Factory」の看板には小さく「〜もっと社会に貢献する商品〜 の専門店」と書かれてありますが、中に入るといい意味で「社会貢献」という言葉は浮かびません。

これまで「社会貢献製品」というと、寄付のため、社会のためという堅い印象を持つ方も多くいるかと思います。また、デザイン性や素材などが後回しになっていることもあり、そのような商品を扱うお店にはもともと社会貢献に関心のある人しか訪れない、という課題もありました。

このような現状に対して、Joy’nt Factory店長の田中さんは「気軽な雑貨屋として入ってきてもらいたい」と考えています。そのような理由から、店内に入っても誰でもわかるように、大きく「社会貢献」とは書いていません。扱う商品は田中さんが気に入ったものを丁寧にセレクトし、「社会貢献」という言葉抜きに買ってもらえるように心がけているそうです。

フェアトレードを知らない人へのひと工夫

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田中さんの取り組みを裏付けるように、Joy’nt Factoryへ足を運ぶ方の半数は「フェアトレード」 という言葉を知らない方とのこと。また、近所の方も、新しい雑貨屋という感覚で足を運んでいるようでした。

「フェアトレード」という言葉を知らない来店者に、どんな風に商品のメッセージを伝えているのでしょうか?例えばこの素敵なキャンドルを見てみましょう。思わず手に取ってしまいたくなるような、素敵なデザインです。そして、手に取ろうとした時に目に入るのは、写真上部にもある張り紙。

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そこには、「キャンドルが何を表しているのか」、「どこに寄付されるのか」といった事が書かれています。商品のデザインから気に入り、その商品に含まれるメッセージや思いを知ることで、普段使っているキャンドルとはまた違った体験ができると思います。

さらに、田中さんの細やかさは店内の張り紙にとどまりません。キャンドルを見ると、少し変わったタグが付いているのです。

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このタグは田中さんの手作りで、「購入後お持ち帰り頂いても、ちょっとした時に見てもらえるように」という思いからつけているとのこと。例えば、大切な人へプレゼントとして渡した際に、お店オリジナルのタグをきっかけに、一緒になって東北に思いを馳せることができそうです。

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タグはキャンドル以外にも店内の全商品につけられています。

こうした細やかな心遣いや温かさ、優しさが、Joy’nt Factoryさんの店内には溢れています。さて、ここで気になるのは、この温かい店内を作り出している店長の田中さん。一体どのような方なのでしょうか?

きっかけは”One for One”の靴ブランド「TOMS」

Q. Joy’nt Factoryにはとても暖かな雰囲気に包まれていますが、もともと田中さんご自身もこのような取り組みをされていたのでしょうか?

田中さん(以下、敬称略) いえ、前職は広告代理店の営業をやっていました。今が35歳なので、10年以上は企業に勤めていました。

Q. 何をきっかけにフェアトレードや社会貢献に関心を持たれたのでしょう?

田中 「TOMS」の靴を4年前に知ったことがきっかけです。企業として利益を出しながら、社会課題に挑んでいるブランドがある事を知り、衝撃を受けました。3年ぐらい前から、Joy’nt Factoryのようなお店を開こうと思っていました。

Q. 3年前から開くことを考えていた中で、何か大きなターニングポイントになったことはありますか?

田中 日本中の誰もが少なからず影響を受けた3.11の東日本大震災は、私の中でも大きなきっかけになりました。また、10年以上サラリーマンをやってきて、これを一生やるのか…と思いはじめた事も挙げられます。

無理なく、自分のできる範囲で。

Q. 先ほど、一生これをやるのかというお話が出ましたが、具体的にはどういう事でしょうか?

田中 私たちの上の世代と違い、終身雇用はこの先期待できないでしょう。これからの世代は、働くことや働きかたへの考え方が変わるはずです。死ぬまで働く可能性を考えなければいけません。私の場合は、死ぬまで働いてみたいと思いました。人より面白かったり、人が集まることをしながら死ぬまで働き続けたいと思うんです。

Q. なるほど。そのために気をつけている事などはありますか?

田中 自分が出来ないことを無理してやろうとはあまり考えていません。駅から少し離れたこの場所にしたのも、無理のない範囲で、自分の出来る範囲でと考えたからです。もちろん、こうした取り組みを広げたいという思いは強いですが、無理してやることは良いとは考えていません。

最後に、気になる人気商品はというと、カレーやチョコレートだそうです。例えばこのカレーは、1瓶で22食分もあり、種類は「やさい用」「シーフード用」「チキン用」の3つ。リピーターも多くいるほど人気なのだとか。市販のものよりは少し値段が高いですが、一度味わってほしいカレーです。

今回、Joy’nt Factoryにおじゃまして、とても楽しく心温まるお話や商品に触れることが出来ました。お話の中で何度も出ていたように、「社会貢献」に興味のある人はもちろん、雑貨が好きという方にもぴったりの場所だと思います。

Joy’nt Factoryのような入り口が開けているお店というのは、社会貢献に興味を持つきっかけになるでしょう。このように1つの場を中心に様々な人を巻き込むような動きがもっと出てくると、少しずつ私たちの意識も変わってくると思います。お店の商品はオンライン購入もできますが、東京近郊の方はお店に足を運んでみて、田中さんの人柄が作り出す空間を楽しんでみてください。

Joy’nt Factory
〒182-0001 東京都調布市緑ケ丘2-59-11 グリーンヒルズビル1F
03-6909-1965
mail[a]joyntfactory.com
営業時間:平日AM11:00~PM8:00、土日祝日AM10:00~PM8:00
木曜日定休

(Text:テントセン大森厚志