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自分で自分のからだを触る約束を。 Facebookアプリで乳がんの早期発見を促す「Touch Yourself」キャンペーン

こちらの記事はNPOのソーシャルメディア活用を支援するプロボノユニット「テントセン」によって寄稿されています。

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10月は、世界中でピンクリボンキャンペーンが行われ、乳がん月間として知られています。日本でも、電車の広告や様々な商品にピンクリボンマークがついていたり。しかし、今回紹介するのは、ピンクリボンに頼らない新しいかたちで乳がんを啓発しようとする海外のオンラインキャンペーン「Touch Yourself」です。

このキャンペーンは、がん問題に取り組むFuck Cancer、ファッション系メディアMen’s MagazineWomen’s Magazineが共同で実施。乳がんの早期発見を目的として、しこりのセルフチェックを促そうとFacebookアプリを活用しています。

キャンペーン自体は、自分で触ってチェックすることを約束をすると、14枚の乳がん啓発用のポストカードからお気に入りを1枚選びシェアすることができます。シェアする相手も女性から女性、男性から女性となっていて、女性はもちろんのこと、普段関心のない男性のキャンペーン参加を促しているのがポイントです。

実際に送ることのできるポストカード。女性の8人に1人が乳がんになることを訴えています。

実際に送ることのできるポストカード。女性の8人に1人が乳がんになることを訴えています。

シリアスにメッセージを伝えるポストカードもある一方、ユーモアたっぷりのものもあったりと、がんのイメージを変えつつ、誰でも参加しやすいよう工夫されています。男性にも現状を理解してもらい、アクションの大切さを伝え、参加を促すことは、他の乳がんキャンペーンとの違いであり、非常に大切な点だと思います。

Facebookアプリを使っているので、特に乳がんに対してまだ意識の低い若い人が手軽に参加できるようになっています。シェアした後には、女性の8人に1人が乳がんであると診断されている現状、早期発見ができれば高確率で治療可能であることなど、乳がんに関する基本的な知識も知ることができ、リンクなどのシェアもすることができます。

このようなユーモアを取り入れたポストカードもあって、乳がんキャンペーンの印象が少し変わります。

このようなユーモアを取り入れたポストカードもあって、乳がんキャンペーンの印象が少し変わります。

ユーモアに加え、ビジュアルを用いてメッセージを伝えるポストカードもあります!

ユーモアに加え、しっかり伝えるデザインのポストカードもあります!

National Breast Cancer Foundation(国立乳がん財団)のデータによれば、乳がんの70%はセルフチェックで発見され、早期発見から5年以上生きることができる確率が98%と非常に高いのです。このことからもセルフチェックや早期発見の重要さが伺えますね。

今回のように社会問題に対し、IT・ソーシャルメディアを活用して解決に向かっていこうとする動きは世界中で多く行われています。すでに数千人がセルフチェックの約束をしているという「Touch Yourself」キャンペーン。

ピンクリボンはリアルな場でよく見かけますが、これはソーシャル上で広がりを見せていました。女性にとっても男性にとっても、乳がんについて考えるきっかけになる大事な取り組みだと思います。

[via Mashable]

(Text:テントセン佐藤慶一