カンヌ2012年受賞の社会派広告、今回はプロモライオンの続きです。
サムソンの事例は、ムービーのつくりもエモーショナルで必見ですよ。
●insight
電気機器メーカーのサムソンが、目が見えない人たちへのデジカメのワークショップを行いました。まず、カメラの使い方を学ぶ講習をし、自然豊かな済州島で撮影会を実施。最後に、目が見えない人たちが思い思いに撮った写真と、その写真を立体にした造形物を展示する展覧会を開きました。
この試みは、サムソンのブランド好感度を高めたのはもちろん、サムソンのカメラ開発者たちにも気づきを与えるものになりました。プレゼンムービーのメッセージが感動的です。
目の見えない人と過ごした、
50日を越える日々が教えてくれた。
世界の見る方法は、ひとつではないと。
そして、カメラが目が見える人たち
だけのものではなく、世界をとらえたいと
願う人たちのものでもあるということを。
心の目を開こう。
●BHF Hands only CPR
事故が起こったときなどに有効な心臓マッサージを多くの人に伝えるために、イギリスではちょっと変わったムービーがつくられました。単純なハウツーではなく、エンターテインメント性あふれるムービーです。
マフィア映画をモチーフにしたコミカルな映像に見入っているうちに、気を失った人を前にしたときの対策が頭に入ってきます。この映像は口コミで広がり、なんと190万人がオンライン上でトレーニングを受けることになったそうです。
●The Return of Dictaror BEN ARI
以前greenz.jpでも紹介したチュニジアでの事例です。ジャスミン革命後初の選挙が行われる数日前、有権者の関心は低いままでした。そんな中、街の大通りに、かつての独裁者ベン・アリのポスターがでかでかと貼られました。民衆が怒ってポスターをはがすと、こんなメッセージがあらわれます。
注意せよ。独裁政権の復活はありうる。10月23日には投票を。
このメッセージは平和ボケしかけていた人たちにショックを与え、選挙の投票率は90%を超えました。そして、独裁政権下では非合法とされていたイスラム政党が第一党になったのです。
まだまだ続きます。次回はPRライオンの受賞作からご紹介します。
※これまでに紹介したものと重複するものは省いてあります。
(翻訳協力:畑山真穂)