チェンジメーカーのコラボレーションプラットフォーム「OpenIDEO」のプロデュースなど、デザイン戦略のノウハウをソーシャルな課題解決に積極的に応用しているIDEOは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団からの助成により、新オンラインプラットフォーム「HCD Connect」を開設。
このプラットフォームでは、社会的課題の解決に取り組む社会起業家や非営利団体などに向け、ヒトを基軸とするデザイン思考ツール「HCD Toolkit」が公開されています。
「HCD」とは、IDEOが独自に開発したもので、Hear(聞く)、Create(創造する)、Deliver(届ける)という、3つのステップから構成されています。
具体的には、まず、「Hear」のプロセスで、現場の人々のニーズを聞き、情報を集め、全体像をつかむことからスタート。さらに、「Create」のプロセスで、データを分析し、パターンや傾向を導きだした上で、解決策を策定します。解決策ができたら、いよいよこれを実行する「Deliver」のプロセスへ。
財政面なども考えてみて持続可能に実行できるかを検証したり、パイロットプランを作成するという流れになっています。
「HCD Toolkit」が公開された背景には、現地の特殊な文化や風習・経済情勢などを十分理解しないまま課題の解決を急いでしまう、従来の支援活動のアプローチを改善したいとの思いがあるよう。
それゆえ、「HCD Toolkit」では、現地のコミュニティや人々との深い関わりや密接なコミュニケーションを重視するとともに、パイロット試行しながら、解決策のチューニングやブラッシュアップを継続する大切さを説いています。
また、「HCD Connect」は、「HCD Toolkit」をシェアするだけでなく、チェンジメーカーのオンラインコミュニティとしての機能も担っています。
各メンバーが、現在取り組んでいるプロジェクトの概要や活動地域、関心のある分野などのプロフィールを公開。同じような課題に取り組んでいる仲間とつながり、情報交換し合ったり、議論を戦かわせることで、それぞれの社会的課題の解決を加速させていく効果が期待されています。
ちなみに、「HCD Toolkit」の全文は、「HCD Connect」にユーザ登録すれば、無料でダウンロードOK。今、まさに社会的課題の解決に取り組んでいる人はもちろん、課題解決のためのひとつのアプローチとして、一般のビジネスパーソンの方々にも参考になると思います。ご関心のある方は、一度チェックしてみてください。
[via core77]
HCDのメソッドを詳しくみてみよう。
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