「図書館」というと、どのようなイメージがありますか?
子どもの頃、夏休みの読書感想文を書くために本を借りたり、受験生のとき、朝から晩まで勉強部屋として利用したり、大学の卒論準備で、山のように積みあがった本と格闘したり…。図書館は、身近な“智”の宝庫であり、ヒトの創作活動を支える現場でもあります。
そこで、図書館の意義を改めて見直し、より多くの人々の創作活動をインキュベーションする場として活性化させようと、オンラインコミュニティ 「Library as Incubator Project」がオープンしました。
「Library as Incubator Project」は、あらゆる分野のアーティストと図書館をつなぐオンラインコミュニティ。「図書館こそ、地域のアーティストや作家らの創作活動にとって重要な役割を担っている」との考えから、米ウィスコンシン大学で図書館情報学を研究する大学院生3名によって、設立されました。
このオンラインコミュニティでは、ビジュアルアーティスト、パフォーマンスアーティスト、作家といった、あらゆるジャンルのアーティストが、自身の創作活動における図書館の活用法について投稿したり、図書館側が、「アーティストのためのインキュベーションの場とすべく、どのようなアプローチや工夫を行っているか?」を公開できる仕組み。これら具体的な事例やアイデアの共有を通じて、アーティストと図書館に新たなつながりを生み出そうとしています。
米国では、財政難から、公共図書館や公共のアートスペースへの予算が削減されがちなのが現状。「Library as Incubator Project」では、具体的な事例を発信することで、アーティストや作家に図書館の利用を促すだけでなく、図書館に対して、少ない予算でも、地元の様々な創作活動を支える場となれることを伝えようとしています。
図書館が、書物という“智”のためのインフラから、人々の創作活動を支える場へと進化する兆しを予感させる取り組みですね。
[via GOOD]