商品の運搬などに不可欠な梱包材。現在は、主に、発泡スチロールやプラスチックなどが使われていますが、これに代わる持続可能な素材として、キノコの活用が期待されています。
大手パソコンメーカーDELL(デル)は、米ベンチャー企業Ecovative Designが開発した梱包用キノコを、サーバー製品の梱包材として、試験的に導入することを発表しました。両社では、重さ100ポンド(約45.4キロ)以上のコンピュータサーバーを支え、衝撃を吸収できるよう、8ヶ月にわたって、このキノコを改良したそうです。
Ecovative Designの梱包用キノコは、まず、綿の外皮や木質繊維といった有機廃棄物に胞子を植えます。すると、これらの廃棄物に含まれる炭水化物がキノコの成長に必要なエネルギーを供給。今回、DELLのサーバーに利用される梱包用キノコは、5~10日間で育つそうです。地元の廃棄物を使って短期間で栽培できる、まさに“地産地消”型の梱包材。また、特別な設備がなくとも、自然に還えるため、環境への負荷も軽減できます。
DELLは、「持続可能な梱包材の利用を、全体の4割まで引き上げる」という目標を掲げ、すでに、2010年から、ラップトップPCやタブレット端末、スマートフォンなど、一部の製品を対象に、竹製緩衝材を利用していますが、今回、キノコを、その選択肢に加えることによって、この目標の実現をさらに推し進めようとしています。
米アマゾンの簡易包装への取り組み「Frustration-Free Packaging」や、トートバッグによる新配送サービス「AmazonTote」など、包装を簡素化する取り組みももちろん大切ですが、一方で、これらの素材を持続可能なものへと転換するという発想も必要ですね。キノコパワーが、世界のパッケージングを変えてくれるかも?!
[via Inhabitat]