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梱包材の無駄使いはもうしません!アマゾンの『Frustration-Free Packaging』イニシアチブ

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by funny strange or funny ha ha

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『企業の社会的責任(CSR)』という言葉をよく耳にするようになって、はや数年。名の知られたグローバル企業であれば、社会貢献活動や環境保護活動をしていて当然。そんな中、これまで目立ってCSR活動には取り組んでこなかったグローバル企業がある。インターネットショッピングサイト、Amazon.comだ。

例えば、企業の気候変動対策を評価しているNPO団体、『ClimateCounts.org』によると、Amazon.comの点数は100点中5点。気候変動に対して、ほぼ何もしていないということだ。ためしにネット検索してみたが、Amazon.comのCSR活動に関する記事にはたどり着かなかった。そのAmazon.comが、先月より、簡易包装を推進するイニシアチブ、『Frustration-Free Packaging』を開始した。

まず実現されたのは、clamshellと呼ばれる硬いプラスチックケースと、おもちゃの包装に使われることが多いプラスチックに包まれたワイヤの排除による包装の簡素化だ。対象は、おもちゃと電子機器のベストセラー計19商品。各該当商品のページをチェックすると、包装がどのように簡易化されたのか、それぞれ説明が記載されている。

たとえば、Fisher-Price社の海賊船のおもちゃの場合、プラスチックに包まれたワイヤ、プラスチック製カバー、発砲スチロール、ボール紙、プラスチック製の留め具などが省略された、とある。結果、開封しやすく、かつ環境にやさしい再生可能厚紙製の包装が誕生した。

『Frustration-Free Packaging』は、来年には、米国以外のAmazonサイトでも導入される予定だ。Amazon.comの創立者でありCEOでもあるJeff Bezos氏は、いずれは取り扱い商品全ての包装を簡易化すると意気込んでいる。

今回のAmazon.comの取り組みは、私たちに2つの「気づき」をくれる。1つ目の「気づき」は、イニシアチブのネーミングから。簡易包装は、環境に良い取り組みであると同時に、荷ほどき時の顧客のイライラも解消してくれる。環境にやさしいことは暮らしにもやさしい、という例を、ここにも見つけた。

2つ目は、ビジネスパートナー同士が影響し合い、協力しあえば、ビジネスのグリーン化が加速するということ。Amazon.comのように、自社製品を持たない企業でも、メーカーに働きかけることで、世に送り出す商品の環境負荷度を下げることができる。メーカーにとってみれば、わざわざAmazon.com用に包装の仕様を変えるのは二度手間だ。Amazon.comがこの取り組みを続けていけば、通常包装が簡易化されていくに違いない。