都内を中心に続々と誕生するリノベーションスペースのひとつとして、以前紹介した「3331 Arts Chiyoda」。さらに、東京には次々と注目の施設が誕生しています。今回は、 新橋からゆりかもめに乗って3駅、湾岸エリアの倉庫が集積するエリア日の出に誕生した、「TABLOID」を紹介します。
気になるこの建物の元の姿は、産経新聞社の印刷工場。かつては夜通し輪転機が働き、夜明け前には「サンケイ新聞」や「サンケイスポーツ」、「夕刊フジ」、「競馬エイト」などが配送されていきました。現在、その空間ではデザイナーやクリエイター、アパレルなどのオフィスが入居し、ギャラリーやスタジオ、カフェなど、建物全体を創作の場と捉え、活動しています。
古くなった周辺の工場も次々と取り壊されていく日々。それが当然のことと受け入れつつあったという産經新聞社関係者のもとへ、「待った」の声がかかります。その声の主は、これまでも都内でリノベーションを手がけて来た株式会社ReBITA(リビタ)と株式会社オープン・エー。
「この建物はこのままの良さがある。工場跡などの空間は若いクリエイターたちに必ず支持される」と、自信と確信に満ちた意見とともに、リノベーションプランを提案します。
さらに、リビタは、オープン・エーの他にも、ソフトからハードまで、それぞれの専門分野を受け持つさまざまなスペシャリストを召集。まさに多様性の合体として「TABLOID」が完成しました。
建物のあらゆるところに施されたレター・サインアートに、輪転機が回っていたころの思い出や、新聞に対する敬愛の念が感じずにはいられない空間です。
この「TABLOID」、入居事務所の関係者以外も展覧会やイベントなどで訪れることができます。先日は、M・A・CのHIV/エイズ撲滅運動の一環としてレイディーガガのシークレットライブが行なわれ、900人を動員。これからもパンチのあるイベントが発信されそうな、要注目スポットです。
こんな新しいリノベーションの考え方からスクラップ&ビルドの流れが終焉を迎え、日本にもNYのアートスペースや工場跡を改装した商業施設、ロンドンのSouth Bankのようなかっこいいエリアが誕生し続けてくれるといいな〜、なんて期待をさせてくれる「TABLOID」、ぜひ、足を運んでみてください。
■これからが楽しみなTABLOIDイベント情報はこちら
http://tabloid-tcd.com/headline/
■TABLOID
住所:東京都港区海岸2- 6-24 TABLOID
交通:ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線 「日の出」徒歩 1分「竹芝」徒歩 7分
JR山手線、京浜東北線「浜松町」徒歩13分
東京モノレール羽田線「モノレール浜松町」徒歩13分