野草など、食べられる草に詳しくなると、自然への感謝が深まり、自分の世界が少し広くなったような気持ちになります。これは「豊かな気持ち」あるいは「畏怖の念」といった感情に近いものがあると思います。
とはいえ農薬や排気ガスがかかっていそうな場所や動物たちの散歩道に生えているもの。あるいは、その植物が安全かどうか不確かなものは食べられません。野草に慣れるための最初の一歩は、安全性が明確な植物で、かつ手間が掛からず、簡単につくれるものから始めてみましょう。
おすすめは、浸けておくだけ。インフューズドと呼ばれるつくり方です。例えば、親しみのあるたんぽぽを摘んで、きれいなお酢をつくってみませんか。
たんぽぽは野草であり野菜
たんぽぽは以前もご紹介したように、野菜として栽培品種が流通していたり、消化を助ける薬効が使われていたこともある植物。今回はお酢に浸けておくことで、たんぽぽの成分を浸出します。
たんぽぽビネガーのつくり方
まずはたんぽぽを取りに行きましょう。管理状況を把握できている場所から、保存瓶に入る量だけで十分です。たんぽぽは茎や葉にも肝臓機能や消化を助ける成分があると言われているので、お花と一緒に摘んで使うこともできます。ただ浸出後の色が少しグリーンぽくなるので、より黄色く仕上げたい場合はお花を多めにしておきましょう。
あとは直射日光の当たらない場所で1ヶ月ほど保存するだけ。たまに混ぜたり振ったりすると色が出やすくなります。成分の浸出にお酢の種類は問いませんが、色のきれいな純米酢やアップルビネガー、ホワイトバルサミコなどを使うと、たんぽぽの色も映えた仕上がりに。
でき上がったお酢は、オリーブオイルやお塩と合わせて生野菜ドレッシングにしたり、水で薄めて飲むお酢にしても楽しめます。野草に興味があるけどどうしていいかわからずにいる方はぜひ、まずは足元にある身近な存在を活かして、大地の恵みを食卓で感じてみてください。
たんぽぽの活かし方は、DIYライフををたくさん紹介しているアメリカのMother Earth New誌でもたくさん紹介されている他、イギリスの料理家、ジェイミー・オリバーさんもたんぽぽビネガーをつくっているようです。