2021年7月11日から16日にかけて「シューマッハカレッジ体験リトリート@BROWN’S FIELDとオンラインプログラム2021」というイベントが開催されました。
そのプログラムの最後の2日間はサティシュ・クマール(Satish Kumar)とオンラインで対面し、参加者それぞれが持つさまざまな悩みや疑問を投げかける時間。そのなかで交わされた、興味深い質問とそれに対するサティシュの答えをのぞいてみましょう。
サティシュ・クマール(Satish Kumar)
思想家/社会活動家、1936年インドに生まれる。インド独立の父であるマハトマ・ガンディーの非暴力と自立に根ざした思想に共鳴し、自然や人への愛をもって核廃絶を訴える1万4千キロの平和巡礼を行う。『スモール・イズ・ビューティフル —人間中心の経済学—』の著者として知られる経済学者E・F・シューマッハーとの出会いから、1973年に英国定住。それ以来、社会変革エコロジー雑誌『リサージェンス(再生)』の編集長を務める。またE・F・シューマッハーの思想を引き継ぎ、東洋と西洋の知が混じり合う先駆的な学びの場として、大学院大学「シューマッハー・カレッジ」を創設。本質を捉えた言説とユーモアある優しい語り口から世界中の人から愛されている。
サティシュ Be the change that you want to see the world!(ほかの人の行動を変えたかったら、自分自身が望む世界を体現することが大切。)
ストーブのように暖かいエネルギーを放射していくのです。マハトマ・ガンディーやキング牧師といったさまざまな活動家たちも、自分の考えや思想を「お誘い」として広げていきました。
ただし、考えや心が変わるかどうかは、その相手次第。相手が「自分がどのような生き方をするか、どのような行動をとるか」と考え決めることを、私たちがコントロールできるものではありませんからね。
だとしても、もちろんコミュニケーションを取り続けるといいでしょう。
私たちは自分の考えを話すことができます。
私たちは文章を書くことができます。
私たちは結束することができます。
私たちは反抗することができます。
でも、私たちは誰かの考えを強制的に変えることはできません。
自分自身が望む世界を体現し、私たちはその愛のエネルギー、思いやりのエネルギーを放射していくことしかできないのです。
私たちが変化そのものに、変化の実例になることは、大きな声で言葉を発すること以上に価値があります。
みなさんにやってほしいことが3つあります。
ひとつはBe the change。自分が望む変化そのものになる、体現するということ。
ふたつ目がCommunicate the change。その変化や望む世界について、いろいろな形でみんなとコミュニケーションしていくこと。それは音楽を奏でることでも、絵を描くことでも、話すことでも、反抗活動をすることでもいいのです。
みっつ目がOrganize。いろいろな人たちと協力しあって、より大きなものをつくっていくこと。さまざまな人と連携をとって変化を引き起こしていくのです。
この3つのことに取り組んでください。ただし、変化がすぐに実現すると期待しないことが大事です。結果は明日起こることではないし、時間がかかるもの。これらを実践しながら、体現し続けることが大事です。
(通訳: ソーヤー海)
(編集: Shiori Shiraga、スズキコウタ、greenz challengers community)
– INFORMATION –
greenz.jpでもおなじみ、辻信一さんが訳を手掛けたサティシュさんの単行本が発売になります! http://namakemono.shop-pro.jp/?pid=164559177
サティシュ・クマールからのメッセージが詰まった『サティシュの学校 みんな、特別なアーティスト』も上映作品です。https://greenzcinema2021.peatix.com/