夏になると、小学生の頃に授業の一環でミニトマトを育てたことを思い出します。
みなさんも、キュウリやナスといった野菜や、朝顔などを育てたことがあるのではないでしょうか?
自分で育てた野菜は、愛着が湧き、美味しく感じたような気がします。
そんな経験からか、大人になってから「家庭菜園をしたい」と思うことがありました。
しかし当時は東京に住んでいた私。近くには畑はないし、借りたとしても1人じゃ管理しきれない。
そう思い、ベランダ菜園用のプランターを購入し、トマトを育てることにしました。
私のように、「家庭菜園に興味があるけど、場所が見つからない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決するために2021年5月にロンドンで誕生した「AllotMe」というサービスを紹介します!
都会でも野菜を育てたい
AllotMeは、使われていない庭を持つ人と、家庭菜園のために畑を借りたい人をつなげる、オンライン上のプラットフォーム。一言で言ってしまえば、旅行時に空き部屋に泊まれる「Airbnb」の家庭菜園版です。
都心部のロンドンでは、増え続ける人口に対して土地が枯渇している状況で、庭つきの家に住んでいる人は40%未満だといいます。その一方で、「健康的で、環境に配慮した食事をしたい」と願う人々は増えているそう。その証拠に、イギリスでは市民農園の待機リストは数千人にのぼるんだとか!(出典元)
市民農園を借りることができない人でも畑を借りることができるようにするためになにかできないか。建築家のConor Gallagher(コナー・ギャラガー)さんが思いついたのが、「AllotMe」の仕組みでした。
その仕組みとは、まず、使われていない庭を持っている人は、自分で価格を決めて写真とともにリストに登録。月に15〜30ユーロが価格の相場のようです。
庭を探している人は、リストの中から自分の条件に合った庭を選ぶことができます。
登録されている庭の種類はさまざまです。場所によっては、シャベルや水を供給するホースなどの設備つきの庭も。
サービス開始から間もないですが、すでにロンドンでは1000人以上がAllotMeに登録しているそう。多くの人が家庭菜園のための場所を求めていたことが分かります。
使われていない庭が誰かの役に立つ
コナーさんがAllotMeを始めたきっかけは、ロンドンに住む多くの人が「自分で育てた野菜を食べたい」という願望を持っているのに、野菜を育てる場所がないことや、市民農園にかかる過剰なコストが障壁となっていると気づいたことでした。
しかし都市部を歩いてみると、使われずに放置されている庭があちこちに。そこで、オンライン上で場所を貸し借りできる仕組みがあればいいのでは?と思いついたのです。
自分で野菜を育てれば、他の場所からの輸送費がかからないので、二酸化炭素の削減につながります。貸し手も借り手も、AllotMeを介して庭を活用することで、環境に貢献することができるのです。
AllotMeを立ち上げたコナーさんは、まず自身の裏庭を一番最初に登録しました。そして第一号の借り手となったCorrie(コリー)さんはこう話します。
コリーさん ロンドンでは長い間、家庭菜園ができる畑を見つけることができませんでした。だから、こうして自分で野菜を育てることができてとても嬉しい。それに屋外で庭をいじっていると、癒されるんです。
手入れができず庭を有効活用できていない人と、家庭菜園のための畑を探す人をつなげる。
一見シンプルな発想です。
ロンドンと同様に日本の都心部でも、野菜を育てるための選択肢は、市民農園を借りたり、ベランダ菜園が一般的だったように思います。でも、「使われていない庭」を「畑」として活用できれば、家庭菜園ができる場所が増え、育てる野菜の種類の幅も広がりそうですよね。庭の貸し借りをきっかけに、ご近所付き合いが始まったり、新しい出会いのきっかけにもなりそうです。
私は、もしご近所の庭を借りることができたら、スーパーで買うのが当たり前だったカボチャやスイカの栽培にチャレンジしてみたいです!
みなさんはどんな野菜を育ててみたいですか?
[via AllotMe, AllotMe FB, The Guardian, NewsLetter,
HUFFPOST, Unsplash]
(Text / Curator: 中鶴果林)
(編集: スズキコウタ)