「放課後」と聞いて、どんな光景を思い浮かべますか?
ランドセルを置いてすぐ、「行ってきまーす!」と家を飛び出す。
公園に行って、その場に居合わせた友達と即興的に遊び始める。
時間を忘れて駆け回り、日没とともにあわてて帰宅する。
かつて当たり前のように目にしたこうした子どもたちの姿がいま、日本の多くのまちから消えていることに、気づいていますか?
こんにちは。greenz.jpライター・2児の母の池田美砂子です。
私は出産を機に子どもの育ちの場づくりに心惹かれ、保育・教育の現場の取材を重ねてきました。「この人たちこそ日本の希望!」と思わずにはいられないたくさんのアクティビストの方々と出会い、greenz.jpの連載「世界と日本、子どものとなりで」を通して、彼らの言葉やあり方を読者のみなさんと共有してきました。
いま社会問題となっている子どもたちの「放課後」
そんな私が昨年、娘の小学校入学と同時に直面したのが、学童保育の待機児童問題です。私の住む神奈川県茅ヶ崎市では、学童保育の供給が需要に追いつかず、希望しても入所できない子どもたちがたくさんいることを知りました。
全国的に見ても、2019年、学童保育における待機児童数が保育園を初めて上回ったそう。
背景にあるのは、共働きやひとり親世帯の増加。かつてのような地域コミュニティが機能しなくなったいま、学童保育に入れない子どもたちの安全で豊かな居場所の確保が、困難になってきています。
国や自治体の施策も追いつかず、受け皿としての民間学童や塾、習い事が近年ますます活況に。また、各種調査やアンケート結果からは、自宅でひとりゲームや映像コンテツに興じる子どもも少なくない、という現実も見えてきました。
かつてのように子どもが自己決定できる放課後の「自由」はいま、大きく揺らぎつつあります。子どもたちの「放課後」は、社会問題になっているのです。
自らの手で“放課後づくり”をおこなうアクティビストたち
そんな子どもたちをめぐる現実を自分ごととして捉え、“放課後づくり”に力を注いでいるアクティビストたちがいます。
まず「放課後」といえばこの方、「放課後NPOアフタースクール」代表・平岩国泰さん。全国の小学校で“市民先生”による多様なプログラムを展開し、子どもたちにとって安全で豊かな放課後づくりを行うとともに、15年以上に渡る活動で培ったノウハウを広く社会に届けるべく、自治体や国との対話も続けています。
そして、“私の子どもから私たちの子どもたちへ”を信条に地域活動を展開する、小野寺愛さん。地元・神奈川県逗子市で、足下の自然を遊び尽くす地域コミュニティ「一般社団法人そっか」を仲間とともに設立。小学生の放課後クラブチーム「黒門とびうおクラブ」、認可外保育施設「うみのこ」といった場づくりをベースに、イベントや助け合いシステムを次々につくり出し、子どもを取り巻く地域社会をあたため続けています。
彼らのつくる放課後のフィールドに足を運び、取材した私が強く心を揺さぶられたのは、子どものことをどこまでも信じる、大人のあり方でした。
将来への不安や「失敗させたくない」という思いから、何か役に立ちそうなことを子どもたちに“与え”たり、“やらせ”たりするのではなく、彼らはただ、学校や自然といった地域資源をいかして子どもたちが自由に過ごせる環境づくりをおこない、子どもたちの自律的な冒険に伴走していました。
彼らが耕した土壌から生まれ育ったあらゆる活動の主体は、いつだって「子ども」。失敗しても、地域の人に叱られても、自分発信だから、それを自分自身の力に変えていける。
かつての放課後とは少しかたちを変えた、なつかしくて新しい、子どもたちの“ゴールデンタイム”が、確かにそこには存在していたのです。
平岩さん・小野寺さんのあり方に、どっぷり触れる2時間
来る2月26日、「放課後NPOアフタースクール」とグリーンズが手を取り、平岩国泰さん、小野寺愛さんのおふたりをゲストに迎えたオンラインイベントを開催致します。
それぞれの活動概要、子どもたちの様子、地域連携の話等々、実践者ならではの声を聞くのはもちろん、トークセッションでは、かねてから親交のあるおふたりに、これからの放課後づくりの展望についておおいに語り合っていただきます。
・ “子ども”をキーワードに地域で活動したい方、活動中の方
・子どもの放課後が気になるお母さん、お父さん
・子どもの学校以外の時間の過ごし方に課題意識を持つ教育関係者の方
・子どもを巡る環境づくりに意欲のある自治体関係者の方
・平岩さん・小野寺さんのあり方に触れてみたい!という方
“放課後を子どもたちのゴールデンタイムにしよう!”というフレーズに心惹かれたみなさん、放課後のあり方について考え、想いを交わし、ともに第一歩を踏み出してみませんか?
オンラインならではのチャットでの質問受付や、ゲストと直接対話できる「アフタートーク」の時間もご用意して、全国のみなさまのご参加を心からお待ちしています。モニター越しではありますが、子どものとなりで生きるおふたりからあふれ出るエネルギーをそのままに受け取ることができる、またとない機会になることでしょう!
イベント概要
【テーマ】
「放課後を子どもたちのゴールデンタイムにしよう!私たちが地域でできること」
【日時】
2021年2月26日(金)
20:00〜22:00
【開催場所】
オンライン(ビデオ会議ツール「Zoom」のMTG機能にて実施します)
※当日の参加URLはイベント開始1時間前にPeatixのメッセージでご案内します。
【定員】
100名
【参加費】
一般チケット:1,000円
【お申込み】
【スケジュール】
19:45 Zoom OPEN
20:00 本編開始 / イントロ
20:15 ゲストプレゼンテーション
20:55 トークセッション + 参加者Q&A
21:45 放課後NPOアフタースクールからのお知らせ
21:55 運営からのお知らせ
22:00 終了
※イベント終了後の1時間は、任意参加でフリートーク/交流会の時間を予定しています。
【アーカイブ配信】
本イベントはアーカイブ配信を行います。
チケットをお申し込みの方にはイベント終了後に、zoom録画映像の閲覧URLをPeatixメッセージにてお送りいたします。
※著作権・肖像権保護のため、資料や写真の二次利用はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
【共催】
グリーンズ
放課後NPOアフタースクール
【ゲスト】
放課後NPOアフタースクール 代表理事
東京都出身。好きな食べ物はしらす、明太子、しめじ、ソフトクリーム。苦手な食べ物はタケノコ。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。株式会社丸井入社後、長女の誕生をきっかけに、子どもたちの世界を豊かにすることに人生をかけ、放課後NPOアフタースクールを起業。
これまでに21校のアフタースクールを開校。 2019年新渡戸文化学園理事長就任。2017年より渋谷区教育委員。2019年「自己肯定感育成入門」出版。2児の父。
一般社団法人そっか共同代表
1978年生まれ。Tokyo FM サステナ*デイズ 案内人。 日本スローフード協会三浦半島支部代表、エディブル・スクールヤード・ジャパンのアンバサダー。好きな食べ物は畑でもぎたての完熟いちご。 NGOピースボートに16年間勤務し、世界中を旅する中で「グローバルな課題の答えはローカルに ある」と気づき、神奈川県逗子市で地域活動に情熱を注ぐ。趣味はカヌー、畑、おせっかい。 三児の母。
▼一般社団法人そっか http://sokka.world/
【司会】
NPO法人グリーンズ COO/事業統括理事。1988年4月仙台生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。新卒でSNSマーケティング会社に入社。2014年10月よりWEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズにスタッフとして参画。2018年4月よりCOO/事業統括理事に就任し、健やかな事業と組織づくりに励む。本業の傍ら、都会のど真ん中に畑をつくる「URBAN FARMERS CLUB」も展開中。循環型社会やサステナビリティについて勉強中。一児の父。
フリーランスエディター/ライター。神奈川県茅ヶ崎市在住、ふたりの子どものお母さん。 想いに寄り添い、話を”ありのまま”にきくインタビューと、想いの根底にある話の”本質”を伝える執筆・編集をライフワークにしています。想い描くのは、「一人ひとりが、ありのまま、そのままの自分を肯定できる社会」。今日もありのままに、子どものとなりで、生きています。