昨今IT業界で盛り上がりを見せている「グリーンIT」という言葉ご存じだろうか? ざっくり言うと、IT機器の高密度化によって消費電力量と廃熱量が急激に増えてきたので、それを減らそうぜ!という意味だ。また、IT技術を積極的に活用して、環境負荷を下げるという意味もある。
今、greenz.jp編集部では、編集部の使用電力量、サーバーの使用電力量、社員の通勤と出張で排出されたCO2量を計算して、カーボンオフセットしている。「カーボンオフセットしてるからいいじゃん」的な考え方もあるけれど、まずは消費電力を極限まで減らしていき、どうしようもないところをカーボンオフセットするのが筋だろう。ということで、この機会に、greenz.jpの消費電力を徹底的に減らすことを考えてみた。
詳しい内容は以下から。
greenz.jpは社会的企業として、最小のエコロジカルフットプリント(環境負荷)で、最大限の社会変革、アウトプットの最大化を目指している。だから、ITの力で、エネルギー効率や生産性を極限まで向上させ、消費電力量やCO2排出量を減らすことがとても大事なのだ。
ということで、会社の現状を見てみよう!
社員の連絡、外部とのやりとりはほぼEmail。ドキュメントはgoogle ドキュメントで共同執筆し、ケータイでgoogle ReaderでRSSを読み、記事ネタはcheckpad.jpに追加して編集部で共有、予定の共有やプロジェクトごとの進捗管理はgoogle calendar、会議ではほぼ毎回アメリカやらブラジルやらとつないでのSkypeでの会議通話/テレビ通話、昨日の飲み会で撮った写真はFlickrにすべてUP、動画はYouTubeにUPして共有、などと言った具合に、ほとんどすべての情報がインターネットを通じて行われているといってもおかしくない。
こりゃ、IT部分の消費電力も増えるのも当たり前。(そのかわり、かつて大量に電力を消費していた、PBX、各机に置かれた電話機、巨大なコピー機、FAX機が無くなったわけですから、その分は環境負荷が減ったとも言えますがね)
ということは、逆にここの消費電力量を徹底的にスリム化できれば、greenz.jpの目標にもつながる。そこで、greenz.jp編集部としてできる、「グリーンIT」を考えてみた。
- 1 デスクトップパソコンよりも、ノートパソコンを使用する
- 2 会議はペーパーレスで行う
- 3 コピー機は置かず、インクジェット複合機にする
- 4 FAXはインターネットFAXのみ使用する
- 5 最後の社員が帰るときに、電源を落としやすいようにスイッチ化する
- 6 サーバーを消費電力の低い会社のものに変える
- 7 風力発電の電力を100%使用しているサーバーに変える
- 8 ルーターをエコルーターに変える
- 9 ハブを買い換える際、消費電力の少ないモノにする
1〜3については、ほぼ達成済み。社内文書は99%データだし、会議はペーパーレス。だからコピー機もないし、プリンターも家庭用の複合機だ。事務所にいても電話が鳴るのは1日5回程度だし。4については、FAXなんて1か月に1枚程度。インターネットFAXも必要ないかも……。電話は普通の一般家庭にあるような電話機だけど、これで充分だ。5については、実はちゃんとできていない。今後は徹底しよう。
6,7については、ちと難易度が高い。greenz.jpはpaper boyさんのhetemlサーバーを利用しているが、サーバーはビジネスの基幹だから安定性もとても重要だし、機能的な理由でいまのところ、移転する予定はない。しらべてみたところ、グリーンストック(greenstock.jp)がグリーン電力証書付きのサーバーを提供している。CO2を排出しない風力発電の電力を100%使用しているそうだ。また、WebARENA(ウェブアリーナ) SuiteXはNTTPCのグリーンサーバを採用している模様。ただ、ウェブサイトでは謳っていません。もったいない。また、株式会社はてなのように、グリーン電力証書を取得する方法もあります。ちなみに、greenz.jpはグリーン電力証書を取得するかわりに、カーボンオフセットしている。
8、9については、調べてみたら、YAMAHAより、「エコルーター」と題して「RTX1200」というルーターが発売されている。気に入ったポイントは2つ。8ポートあるギガビットルーターであること、消費電力がとても少なく、最大消費電力16Wということだ。いまのところ、ギガビット対応機種では一番消費電力が少ない機種はこれのようだ。また、ヨーロッパの環境負荷の少ない製品の基準「RoHS指令」にも対応しているし、greenz.jp編集部はスタッフの数が常勤5人、パートタイムが3人の8人。8ポートのSOHO向けルーター1台あればいいので、これなら効率もいい。これ、いいかも。
あなたもこれを参考に、オフィスや家庭の消費電力を減らしてみてはいかがだろうか? また、ほかにアイディアがある方は、ぜひコメントに寄せてください。