初めまして、こんにちは!
greenz.jpの編集部でインターンをしているさゆりです。ふだんはSNS周りのサポートをしています(Twitter、Facebook、Instagramで面白い情報をほぼ毎日更新しているのでぜひフォローをお願いします!)
2019年3月現在、6,400本以上の記事が掲載されているgreenz.jp。ふだんは知る機会がない全国のソーシャルグッドな取り組みは可能性が溢れていて、ライターさんが紡ぐ言葉の数々に私自身も勇気付けられてきました。
だけど、greenzの記事はどうやってできていくのだろう?という疑問は、インターンの期間ずっと引っかかっていました。私も一人の読者として読んでいたからこそ、Webサイトの記事一つ一つはどうやって出来ているのかを自分の目で見てみたい!と思ったのです。
今回はgreenz.jp編集部のあたたかい協力のもと、「前橋〇〇部」の藤澤陽さん・竹内躍人さんの取材に同行させていただくことができました。2月某日、お二人に加えてライター兼カメラマンである石村さん、greenz.jp編集長の鈴木菜央さん、そしてインターン生の合計5名が、取材場所である都内のカフェに集いました。greenzならではの取材の雰囲気を、読んでいる皆さんに少しでもお伝えできたら嬉しいです。
まずは「チェックイン」から
全員が揃ったら、自己紹介をして「チェックイン」から始まりました。「チェックイン」とは、greenzのミーティングやワークショップでは必ず行われるもの。アイスブレイクのようなもので、そのときの体調や気持ちをメンバー間で共有し、”場”に入っていく空気感を作る効果があります。
今回は編集長が主導してチェックインという形をとりましたが、普段の取材でも最初はアイスブレイクとして雑談を交えているようです。今回は雨と花粉の影響もあって、体調があまり優れない人も…。しかしチェックインがあることで、それぞれの心と身体の状態を把握し合い、お互いに気遣うこともできるのです。
チェックインが終わったところで、早速取材スタート!今回は編集長と石村さんが質問を投げかけ、二人に答えていただく形になります。
前提と大枠をシェア
本題に入る前に、取材のテーマを共有します。今回は「いかしあうつながり」ってなんだろう?という連載記事の取材。greenz peopleの寄付によって実現している取材であり、人と人との関係性をデザインする事例を取り上げています。
前橋〇〇部は、群馬県前橋市で活動をしている地域団体です。「〇〇」の中に自分の好きなモノや趣味、食べ物などを入れてFacebookページを立ち上げることで、誰でも簡単に部活動を始めることができるというシステム。誰でも声をあげて活動を始められるように極力ハードルを下げ、「街で集まって何かをする」ものを「部活動」という名称で分かりやすく可視化しました。
〇〇部は、活動が自発的に、アメーバ的に派生するところが「いかしあうつながり」に繋がるところだと思うんだよね。
連載と取材がどういう繋がりを持つのか、お互いの認識を確認することで目線を合わせることができる。なぜ取材をするのかを明確にする、編集長の言葉が印象的でした。些細なことですが、入念な準備はより良い時間を作る重要な要素になるのかも知れません。
今回は前橋〇〇部の始まりと、過去、そしてこれからについてを話していただけたらと思います。
その場にいるメンバー全員がちゃんと話を「聞く」姿勢になったところで、〇〇部のお二人にお話を伺いました。
「語り合う」取材
前橋〇〇部を立ち上げた藤澤さんの原点から話は広がっていきます。今回は編集長も同行し、取材先の方も複数名だったということもあって、質問の受け答えというより「一緒に過去を振り返り、お互いに感じることを語り合う」取材であったように思います。
前橋〇〇部が生まれた背景と、市長や新聞社、ラジオ局をも巻き込んで活動が広がっていった過程、当時の様子や思いについて話が及びます。設備(ハコ)を作って人を誘致するのではなく、ネットワークを築いてからリアルのつながりへと結びついていく。そのつながりは、予期せぬ災害のときにも大きな役割を発揮しました。
一方的に質問をするだけでなく、藤澤さんから編集長にも質問があり、話題はトランジションタウンや移住にも及びました。ゆったりと時間が流れていき、気づいたら取材の終了時間も迫ってきます。
また、取材がひと段落したところで、〇〇部のお二人にいただいた差し入れをいただく場面も。約2時間半にわたって行われた今回の取材は、最初から最後まで、参加するメンバー全員がフラットにいられる空間でした。
「greenz.jpで書く」ということ
近年は数々の新しいメディアが立ち上がり、「ライター」という職業も珍しくなくなってきたように感じます。インターネットを用いた情報収集は、今や多くの人がほとんど無意識に行なっているのではないでしょうか。SNSを用いた情報発信やブランディングに価値が付与されるようになり、だからこそあまりの情報の多さに疲弊してしまうこともあります。
そのようにたくさんの媒体がある中で、どのメディアに共感し、どう言葉を紡いでいくのかはライターさんや発信者一人一人の意志と深く繋がっています。今回取材に同行させていただき、改めて「greenz.jpで書く」ということの意味を考えさせられました。
Webメディアは、表には見えないけれど数多くの支えによって成り立っています。どのメディアにも言える当たり前のことのように思われますが、特にgreenzはライターさんや編集部以外にも、全国にいるgreenz peopleという寄付会員の皆さんをはじめ、多くのコミュニティに支えられて記事が完成します。また、文字起こしや取材先との確認作業、エディターさんや編集デスクによる校閲など、公開までに多くのステップを踏みます。
たった一つの記事が、誰かの心の支えになれば。インターン生として参加させていただいている編集部会議でも感じることですが、greenzは「多くの人に読まれる」ことだけを重視してないように思います。数だけではなく、「その情報を必要としている人」に「必要なタイミングで」届けること。それはまるで贈り物のようで、正解も不正解も存在しません。
そんな難しい編集という作業を経て送り出されたgreenzの記事。きっと取材の数だけ語られないストーリーがあり、たくさんの人の想いがこもっているのでしょう。更新されていくたくさんの記事の裏側を想像しながら読んでいくのも、記事の楽しみ方の一つではないでしょうか。
読者の皆さんとの関係をより良くしていくために、これからも進化していくgreenz.jp。私も一読者として、これからのgreenzを楽しみにしています!