こんにちは、greenz.jp編集長の鈴木菜央です。
今回は、イギリスからスペシャルゲストを招いて、green drinks Tokyoを国分寺カフェスローにて行いますよ!
最近数年、ローカルに注目が集まっていますよね。グローバル経済がどんどん進化していく現代社会では、とにかく忙しすぎて、近所の人とつながる余裕がありません。普段はなんとかなるかもしれません。でも、ひとたび災害が起きたときや、ケガや病気、子どもができたりしたときに、人は支え合って行きていかなきゃいけないんだ、、、と実感するんですよね。
特に3.11以降、「幸せに生きていくには、コミュニティが必要」っていう感覚が一般的になったし、最近は「コミュニティがなければ、つくろう」という機運が高まっているように思います。
でもそれは日本に限ったことではないのです。資本主義社会が成熟していくにしたがって、いつの間にか孤独になってしまったり、人間的な暮らしよりも、お金を求める圧力が大きくなってしまったりしています。その結果貧困格差が広がり、分断が広がっています。これは日本に限らず、世界の国々で起きている共通の問題でしょう。
そのような課題に対して、イギリスのトットネスというまちでは、驚くべき解決法を実践しています。
それがトランジションタウンとレコノミー(Reconomy)プロジェクトです。
トランジションタウンとは、今住んでいるこのまちを、そのままエコビレッジにしちゃおう、という活動。市民が集まり、どんなまちにしたいか? ビジョンを共有しながら、誰でもマイプロジェクトを始めやすい場づくりをして、たくさんのワーキンググループを生み出していきます。
たとえばトットネスでは、地域通貨、スキルシェア、モノのシェア、共同保育、子ども演劇、自転車の啓発などなど、今現在で40ほどのワーキンググループが活動しているそうです。
レコノミープロジェクトとは、ローカル経済再生を目指した活動で、トランジションタウンのワーキンググループの一つとして始まりました。
まず行ったのが、市民が自らトットネスのローカル経済の調査です。その結果はかなりショッキングなものでした。食べ物、エネルギー、住宅、医療健康の4分野で調べた結果、ほとんどの消費は、ロンドンに本社があるか、外国に本社があるお店での消費だったのです。
ちょっとだけ食べ物関連の結果を抜粋すると……
- トットネス地域の食関係の総支出は約50億円
- そのうち6割の30億円が2つの大手スーパーチェーン(地域外資本)で消費
- のこりの4割、20億円が60ある地域資本の食料品店で消費
- 総支出約50億円のうち、半径50km以内で生産された食料の比率は27%
- 73%は地元以外から調達した食料
- 地域の独立店は地域外資スーパーマーケットに対して、3倍の雇用を創出する
僕らのお金は、かなりの割合、ロンドンかウォール街に吸い込まれていっているんだ
と気づいたトットネス市民は、さまざまなアクションをはじめました。
あるお母さんグループは、「学校のカフェテリアの食材を、地元産に切り替えよう」と働きかけました。
デザイナーや編集者たちは「チェーン店よりも、地元のカフェやレストランを応援しよう」と、「ローカルフードマップ」をつくりました。
DIYが得意なグループは、「各家庭の暖房消費はお金が地域の外に漏れていくことになる。だから各家庭を、DIYで断熱していこう」という活動をはじめました。
すでに活動していたさまざまなグループは「僕らやってきたことは、地域経済にとってプラスになるのか!」と勇気づけられたといいます。
それでも越えられない壁がある……そう気づいた市民たちは、本格的に自分たちのローカル起業」を応援する仕組みをはじめました。
そのひとつが、コワーキングスペース。改装も運営も持ち寄りでされていて、トットネスで起業したいと思ったら、机を借りることができます。会計や行政の仕組みに詳しい人が交代でやってきて、起業家の卵を応援しています。
もう一つが、ローカル起業フォーラム。毎年4-5人ほどの起業家が「こんなローカル起業がしたい!」プレゼンをして、市民がそれを応援する宣言をします。「寄付します」「うちのクリーニング代金、一年間無料にします」「子どもの面倒みます」などなど。街を挙げて、起業家を応援する雰囲気を作り出しています。
その結果、たくさんのローカル起業が生まれ、雇用がうまれつつあるようです。すでに次の世代を応援する動きも出てきてるとか。なんだか、すごくないですか?
僕がトットネスを訪ねたときに感じたのは、会う人会う人がみんな生き生きしている、ということです。それはなぜか?
やりたいことを仕事にできる。自分の仕事が地域の役に立つ。商売関係が全員、友達関係。趣味と仕事とお休みが一緒。いつもリラックスできている。グローバル経済のお世話になる割合が少ない。低賃金で働かなければならないこともない。そんな理由かもしれません。
自由に生きたい人たちの集まりが、強いローカル経済の本質なのかな?と思った次第です。でも、それはいったいどうやって実現しているんだろう??
そこで今回は、このトランジションタウンと、レコノミープロジェクトをはじめた、ジェイ・トンプトさんをゲストに、トットネスでどうやってローカル起業を増やしていったのか? 僕らが学べることはなにか? 日本にも良い事例があるぞ!みたいなことをワイワイと話したいと思います。
ぜひ、イベントに来てください。お待ちしています!
イベント概要
テーマ
日時
18:30〜21:30
※18時OPEN、18:30頃よりトークセッション開始です!
会場
カフェスロー(東京都国分寺市東元町2-20-10)
JR国分寺駅南口から徒歩5分
定員
参加費
参加費、お弁当あり 3,000円(先着30名)
※ 参加費はゲストのイギリスからの旅費と通訳への謝礼に充てさせていただきます。
※ 先着30名様限定で、カフェスローオリジナルお弁当を用意しています。
<ピープル割!>
いつもgreenz.jpのメディア運営をサポートいただいているgreenz peopleのみなさんは「500円割引」でご参加いただけます! これを期に入会してくださった方も参加割引です。気になる方はこちら→ https://people.greenz.jp
お申込み
ゲスト
環境ビジネス活動家。 ライター。 経済学修士号をモンテレイ国際研究所で取得。またサン・ホセ州立大学で哲学を修学。これまでコンサルタント業を始めとする多様な地域ビジネス、リ・エコノミー・プロジェクト、トランジションタウン・トットネスなどにかかわってきた。 最近は起業と地域経済の実行に関する理論的アプローチの構築に取り組んでいる。
ホスト
NPOグリーンズ代表/greenz.jp編集長 76年バンコク生まれ東京育ち。2002年より3年間「月刊ソトコト」にて編集。独立後06年「ほしい未来は、つくろう」をテーマにしたWebマガジン「greenz.jp」創刊。千葉県いすみ市在住。家族4人で35㎡のタイニーハウス(車輪付き)に住んで、暮らしとコミュニティづくりの実験中。著作に『「ほしい未来」は自分の手でつくる』(講談社 星海社新書)。
主催
お願い
- 事前決済にご協力おねがいします!
- 会場にはクロークがございません。おそれいりますが各自お手荷物は管理くださいませ。
- 困ったことがありましたら、何でもスタッフにおたずねください。話す人が居ない…でもOK!