「ミドリムシが地球を救う」として、各地でさまざまな研究が始まっていることをご存知だろうか。地球温暖化、食糧危機といった現代のもっとも重要な問題に一役買うと言われているミドリムシ。いったいどのようなパワーを持っているのだろうか?
まずは顕微鏡を覗いてみよう。
ミドリムシは0.1mm以下の単細胞生物で、おおよそ紡錘形である。
とあるとおり、そもそも私たちの目に見える大きさのものではない。理科の授業で顕微鏡越しにお目にかかったくらいで、それ以来、その存在さえも忘れてしまっている人もいるのでは?そんな小さな小さなミドリムシ。注目すべきポイントは2つある。
ひとつは、光合成による炭素固定能力が高いこと。
鞭毛(べんもう)運動をするという動物的性質をもちながら、葉緑体を持ち光合成を行うという、植物的な一面も持ち、「地球上で唯一の動物と植物の中間的微生物」と言われるミドリムシ。二酸化炭素を炭素化合物として体内に留めておく能力が、
イネが0.7%、トウモロコシが1.5%に対し、ミドリムシは30%
と、ほかの植物に比べて格段に高い。このため、CO2削減に一役買うとされているのだ。ミドリムシの培養には水槽の設置、維持管理などに膨大な費用がかかるなどの課題が残っているが、実用化に向けての期待が高まっている。
ふたつ目は、その栄養価の高さ。ミドリムシは、人に必要な栄養素のほとんどを作り出せるというのだ。株式会社ユーグレナ(ミドリムシの学名「Euglena」に由来した社名)では、これに着目し、顧問であり大阪府立大学名誉教授の中野長久氏とともにミドリムシ入りクッキーを開発した。特にビタミンA不足などの問題を抱える発展途上国の食糧問題解決に貢献できるとして、アフリカの飢餓難民向けに試作されたものだが、その味わいが気になるところ。
ユーグレナでは、そのほかにもミドリムシを利用したサプリメント開発や工業化利用など、数々の研究を推進中。ミドリムシにこだわる社長のブログもぜひ一度のぞいてみよう!
普段その存在すら意識することのないミドリムシに助けられる日が来るかも!?まだまだ、この地球上には、私たちの知らないところにさまざまなパワーが眠っているのかもしれない……。